米、北朝鮮の貨物船即時返還要求を一蹴…米朝の神経戦が熾烈に
米、北朝鮮の貨物船即時返還要求を一蹴…米朝の神経戦が熾烈に
‐北の「貨物船を返還せよ」との要求を一蹴した米国
‐国際社会の制裁への協力必要と強調
北朝鮮の国連大使が、米国により差し押さえられている北朝鮮の貨物船「ワイズ・オネスト号」の即時返還を要求したものの、米国はこれを一蹴し、対北制裁の意思を再確認、断固たる姿勢で対応した。
キム・ソン北朝鮮国連大使は21日、米国ニューヨークにある国連本部で記者会見を行い、米国による貨物船差し押さえに対し「不法で非道な行為」だと、即時返還を求めた。
これを受け、米国務省は同日、北朝鮮が求めた貨物船返還要求について、国連レベルでの対北制裁の維持が必要で、加盟国も制裁を履行しなければならないと話した。ミサイル発射による挑発再開や、制裁の隙をついた外貨獲得に動いている北朝鮮を、更に締め付けるという意思を明らかにしたものだとみられる。
しかしながら米国務省は「金正恩北朝鮮国務委員長は非核化の約束を守るだろう」と、今後の交渉への余地は残した。これは対北制裁を堅固に維持する事で、北朝鮮に圧力をかける一方、外交的な手段である対話を通じて問題を解決しようとの意思を表したものだとみられる。
最近、北朝鮮の貨物船差し押さえ問題で、米朝両国の間に熾烈な神経戦が繰り広げられている。
米司法省は、今月9日の北朝鮮による2回目のミサイル挑発の僅か9時間後、北朝鮮の石炭を不法に輸送し、制裁に違反した疑いでワイズ・オネスト号を差し押さえた。北朝鮮外務省は5日後に声明を通じ、米国の行動を「強奪」だと激しく非難した。
ワイズ・オネスト号は北朝鮮とシエラレオネの二重船籍で登録されている船舶で、35億ウォン(約3億2400万円)以上の価値があるとみられる北朝鮮産の石炭2万5000トン相当を積んでいた事が分かっている。
国連の対北制裁委員会によると、この貨物船は昨年4月1日頃にインドネシア当局により摘発、抑留された後、米国が制裁違反の疑いで没収の訴えと差し押さえの措置を取り、現在は米国領サモアに移送されている。
翻訳︰水野卓