朝鮮の秋史金正喜と日本の藤塚隣を結ぶ韓国人崔鐘秀の心

韓日歴史文化教育研究所(所長・金得永)は7月6日、東京・新宿区新大久保で「第9回韓日文化再発見」を開き、韓国の崔鐘秀氏(韓國孝文化センター理事長,秋史紀念事業會長 前韓国文化院聯合会長)による特別講演を行った。

講演テ-マは、韓日文化アイコンである秋史金正喜を世界に知らせた韓国人と日本人の話。崔鐘秀理事長は、日帝強占期に秋史金正喜研究の日本国内の最高権威者である東京大学の藤塚鄰教授と彼の息子藤塚明直先生が所蔵していた1万点の遺品を韓国に持ってきた張本人である。その縁で崔理事長は、藤塚明直先生が2006年7月4日逝去した日以降、毎年、彼の忌日に合わせて来日し参拝している。

崔理事長は「2005年に国際学術大会の開催のために、秋史研究に著名な日本の学者藤塚鄰教授を探し回っていたが、彼の息子の藤塚明直先生(1912〜2006)と連絡がつながった。ところが実際に会ってみると、秋史関連資料は全くないとの答えだけだった。3年間集めた資料を見せながら説得したが、無駄だった。ところが、次の日に予想外の連絡がきた。私たちの誠意に感心した彼は一晩中悩んでくだした決意を伝えた。その結果、その翌年7月に彼の死後、秋史の遺品1万点を渡してもらった」と語った。

「実事求是」の実学者で北学派の第一人者である朴斉家の弟子である秋史金正喜先生は、清の科学的な学問方法である考証学を研究した最高の学者であると同時に芸術家である。オンバンガン(翁方綱)・ワンウォン(阮元)のような有名な儒学者と親しく過ごしながら清から清朝学の叢書『皇淸經解』1408冊を受けて研究した金正喜は、当代北東アジア最高の知識人であった。

そんな金正喜先生の真価を見抜いたのが藤塚鄰教授であった。彼は清朝文化が朝鮮に来る過程と金正喜先生の学問を研究するため、当時の京城帝国大学の中国語の教授として赴任してくる。彼の息子である藤塚明直先生は、死の前に父が研究して集めていた金正喜先生と関連するすべてのデータを、秋史の故郷である韓国に2006年に返還した。その多くの資料を無償で韓国に返した理由については、「百済の王仁博士が日本に儒学と漢字を紹介したことに対する恩返し」と答えた。

韓国と日本の文化交流は百済の王仁博士が『論語』と『千字文』を大和に伝えながら始まり、以後、朝鮮通信使などを通じて、日韓の通交が持続的に成り立ったと藤塚明直氏は強調した。藤塚明直氏は朝鮮通信使の「信」について、単純に通信を意味するのではなく「信義を分ける」という意味を持つと解釈した。また、「崔理事長と果川市で信義と使命を持って秋史関連資料を引き受けた以上、これからも持続的な秋史学研究が成り立つことを願い」と言葉を残した。

そのような事実を知った果川市議会の尹美賢(ユンミヒョン)議長は、秋史博物館に 1万点余りを寄贈した藤塚隣の孫駒田和子女史、朝鮮の秋史先生と藤塚隣とその長男明直先生の美談を日本に知らせている韓日歴史文化教育研究所に感謝状を授与した。

尹議長は、「日本について認識が、明直先生と駒田和子さんによって、良い国であることに変わりました。韓日歴史文化教育研究所の歴史文化の講座と交流に対して、自分もできる限りすべての力を尽くして共に応援します」と話した。

講演を聞いた李種仁さんは、「最初に聞いた時は、我が国の文化財返還の一つであると簡単に思ったが、それは私の大きい間違いだった。藤塚父子の献身的な研究と秋史先生に対する熱情、一言で韓日の愛と尊敬、高度の文化交流だ」と述べた。

一方、講演には尹美賢果川市議会議長をはじめ、李必淑秋史研究博士、李相国秋史硏究作家、許洪範秋史博物館学芸士も一緒に同参した。講演後には秋史金正喜の生涯と生きがい、学問と芸術、秋史のような思想を通じる新しい韓日交流などに関して意見交換もした。

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