「混迷する香港」“平和”掲げたデモ隊に中国政府は“最後通告”

「混迷する香港」 “平和”掲げたデモ隊に中国政府は“最後通告”

‐11週目となる週末集会で最大の参加者数記録と発表
‐「平和」を掲げゲリラ的なデモ行為自制
‐中国全人代、「米国は内政干渉をするな」と警告

香港の「逃亡犯条例」に反対するデモ隊が18日、大規模集会を開き香港政府に対して強く抗議する中、中国人民解放軍傘下の武装警察が香港境界から10分程の位置に配備され、重大な対峙局面を迎えようとしている。中国の議会である全国人民代表大会は「香港は内政問題だ」と米国に対し強く警告しており、中国政府が武力鎮圧に出るための最後通告を突きつけたとする見解もみられる。

■武力による圧迫にも大規模集会強行
18日の香港デモはこれまでとは違うふたつの様相を見せた。ひとつは規模の面で、主催者発表で最大200万人のデモ参加者が集結して以降、数週間振りに大規模集会が開かれたという点だ。もうひとつは多数のデモ参加者が集まる中、集会を進めるにあたり香港警察との物理的な衝突を最大限避け、平和的なデモになる様、計画した点だ。

この日、大規模集会が開かれたのは、これまでの香港警察による過度な物理的鎮圧と、武装警察投入を予告する中国中央政府の激しい圧迫に、香港デモ隊の反発がより強まったという点が反映されている。香港サウス・チャイナ・モーニング・ポストなどによると、「反逃亡犯条例」デモを主導して来た民間人権団体がこの日の午後、ビクトリア・パークで集会を開いた。

この日の集会は、先週香港デモ隊が香港国際空港を占拠し、都市機能が麻痺状態に陥って以降、初めて開かれた大規模集会。香港でのデモが11週目となり長期化する中、デモ隊の要求事項が中国政府の厳格な法執行や武力投入の立場と衝突した事で、この日のデモの規模が更に大きくなったのだとみられる。この日の大規模集会が開かれる前、一部では少なくとも100万人、最大で300万人が参加すると予想されていた。反逃亡犯条例デモの初日となった6月9日のデモには主催者発表で100万人の香港市民が参加し、同月16日には200万人が参加したと伝えられている。

集会の規模は大きくなったが、デモの進め方は最近のゲリラ的なやり方と異なり、物理的衝突を最小化するための平和的な集会を追求した点にも注目される。先週のデモ隊による空港占拠では、空港での大混乱や香港の全地域での交通混乱、ショッピング・モール店舗の売上急落が発生していた。また日々デモ隊のゲリラ的戦術と香港警察の物理的対応が衝突する状況も続いていた。香港市民らの支持を得にくい上に、中国政府の武装兵力投入の可能性が高いという理由から、この日の週末大規模集会が「平和」を掲げたのだとみられる。

■「親中・反中」衝突など課題山積み
香港政局の安定を取り戻すためとは言え、激しいやり取りがあちこちで繰り広げられているとの指摘もみられる。

中国共産党機関紙の人民日報によると18日、全人代外事委員会の代弁人はナンシー・ペロシ下院議長などの一部米国議員が香港デモ隊を庇っている事に対し「この者らは香港警察の法執行を暴力的な鎮圧だと歪曲しているが、これは法治精神に反する露骨なダブルスタンダードであり、中国の内政に対する乱暴な干渉だ」と米国を強く非難した。

また「香港の繁栄と安定は香港市民を含む中国全人民の意思によるもので、極小数の凶悪犯罪者(デモ隊)によって変えられないし、どの様な外部勢力の干渉にも変わる事は無い」と話した。

中国の前・現最高指導者らが集まる北戴河会議が終了し、この日の大規模集会の開催を前にした時点で、この様に全人代が警告する立場を明らかにした事は、中国政府が事態悪化時に武力による鎮圧に出るための最後通告を突きつけたのではないかとの分析もみられる。

翻訳:水野卓

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