中国新型肺炎…北京でも感染例、患者数は2日間で136人増加

‐首都北京で2人、広東省深センで1人確認
‐「人の多い所を避け、マスク着用を」中国保健当局
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスが急激に拡散している。この2日間で新たに136人の感染が確認され、首都北京や深センなどでも初の新型肺炎患者が確認された。また新たに1人の死亡も確認された。
今後、中国最大の休日となる春節を迎える事で、中国はもちろん周辺国家も非常体制に入っている。中国の保健当局は、新たな検査システムの導入により患者数が増加するとみている。
中国武漢市の衛生健康委員会と現地メディアによると20日、前日に北京市大興区の医療機関で診察を受けた2人が新型コロナウイルス肺炎を発症している事が確認された。2人は武漢市に旅行した後に発熱症状がみられたが、現在は呼吸の状態も落ち着き安定した状態を保っている事が分かっている。
武漢市の衛生健康委員会は「臨床症状と疫学調査に基づき、疾病予防統制センターの検査及び専門チームがこの様な結論を下した」と、「大興の保健当局は既に密接な接触をした者に対する医学的観察を始めており、現在発熱などの異常は無い状態」だと発表している。
広東省でも新型肺炎の感染者が初めて確認された。広東省深セン居住の66才の男性が昨年12月29日に武漢市の親戚を訪問した後、今年1月3日から発熱や無気力などの症状を訴えていた。この男性は4日に深センに戻っていた。
広東省深セン市の疾病管制センターは、この男性に対する新型肺炎の検査の結果、陽性と判断した。武漢市の衛生健康委員会は「診断チームの専門家らは満場一致で新型コロナウイルスだと判断した」と伝えている。患者の病状は安定しており、広東省保健当局はこの男性と接触した者に対しても追跡している。
武漢市の衛生健康委員会によると19日22時現在、新型肺炎の感染者は2日間で136人増加し、198人となった。死亡例も1人追加されて3人となった。
この136人の内、男性が66人で、最高齢は89才、最年少は25才となっている。発症日は全て1月18日以前。主な症状としては発熱と咳、胸の苦しさや呼吸困難などが上げられている。
また入院治療中の170人の内、35人が重症で、この内の9人は危険な状態にあり、武漢市の拠点病院で隔離治療を受けている。累積の接触者数は817人で、医学的観察解除は727人、退院した者は25人となっている。
武漢市の衛生健康委員会は「冬と春はウイルス性肺炎の発生率が高い季節」だと、「人が多く集まる場所は避けるべき」と忠告している。
また「咳やくしゃみをする時はマスクやティッシュ、服などで口と鼻を押さえてウイルスの飛散を防ぎ、発熱や咳などの症状が出た場合は直ぐに治療を受けるべき」と伝えている。
翻訳:水野卓
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