[ワールドレポート] コロナ時代のスポーツ

今月、米国の野球ファンの間でのホットイシューは、夜中に中継される韓国プロ野球KBOリーグだった。米国最大のスポーツチャンネルESPNは、新型コロナウイルス感染拡大によりプロ野球MLBの開幕が延期された事で、視聴者を繋ぎ止めるべく一足先に開幕したKBOリーグの放映権を獲得した。

米国の野球ファンは太平洋の向こう側の韓国プロ野球を興味津々で見ており、初めて見るチームのファンを自任する事もあるという。現地のKBOリーグ・ファンサイト「マイKBO」を運営するダン・カーツ氏は週刊誌オブザーバーとのインタビューで「KBOリーグにも無観客試合による財政的な損害はあるが、ESPNとの放映権契約を結んだ事は、長期的に見てリーグとチームの両方にとって大きなチャンスになるだろう」と話した。

それでもKBOリーグの事情は良い方だと言える。世界の主なスポーツ団体や業界は、新型コロナウイルス感染拡大によりプロスポーツ競技が中断している今、KBOの様に新たな収益源を求めて必死の努力を続けている。

MLBの球団オーナーらは今月11日の会議で、7月初めにはリーグ開幕が可能だとの結論を出した。英国のサッカー・プレミアリーグは当初、6月12日にリーグを再開する予定でいたものの、安全性の理由からリーグ再開を更に1週間延期する事にした。ドイツのサッカー・ブンデスリーガは今月16日から無観客試合で再開する事になっているが、他のヨーロッパのメジャーサッカーリーグの今月中の再開は難しいとみられる。米プロゴルフPGAと女子プロゴルフLPGAのツアーも6〜7月に先送りされた。それ以外にもテニス、ボクシング、F1など数多くのプロスポーツが競技を再開出来ないでいる。

メディア露出を通じた収入を分配するリーグと傘下チームは、放映権販売が見込めなくなった事で岐路に立たされている。

このため新たな形態のメディア露出方法が脚光を浴びている。プロバスケットボールリーグNBAの場合、選手による試合進行が難しくなると、NBAのスター選手らがオンラインで参加するEスポーツに目を向けた。

ESPNは今月の発表で、バスケットボールゲーム「NBA2K」の今シーズンの試合をリーグ創設以来初めて生中継する事を明らかにした。2018年に始まったNBA2Kリーグはゲーム上のリーグではあるが、実在のNBAチームがリーグ内のEスポーツチームを直接運営している事で知られている。

NBAのマーク・テイタム副コミッショナーは先月、WEF(世界経済フォーラム)とのインタビューで「マイケル・ジョーダンのドキュメンタリー製作、SNSを通じた選手らの自宅隔離パーティー生中継など、多様なコンテンツを提供している」と話した。同氏は「NBAだけでなく、全世界の数100万人のスポーツファンがコンテンツを求めている」とも話している。

WEFは「新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期的にリーグ自体を変える事は無いものの、コンテンツを伝えるメディア市場を揺り動かす可能性はある」との見方だ。既にNBAやMLBなど主要なリーグは競技の生中継が色褪せて来た事で、放送局を飛び出しユーチューブや自前のストリーミング・チャンネルを導入してファン攻略を進めている。

WEFは「アマゾンが昨年第4四半期に英国でプレミアリーグのストリーミングを開始すると、直ぐにチャンネル登録者が35%増加した」と、「放送局がスポーツファンを囲い続けられるだけの力は既に弱まっている」と結論付けた。米国の地方紙サンフランシスコ・クロニクルは今月、業界関係者の言葉として「遠く離れた家族らがVR(仮想現実)やAR(拡張現実)機器を利用し、オンラインで一緒にスポーツの試合を観戦する風土が根付いている」と報じた。

スポーツが現実からオンラインに移行するという現象は、スポーツ用品業界にとっても良い知らせではない。現実世界の販売店が打撃を受けているためだ。

世界最大の業界博覧会であるISPO(国際スポーツ用品展示会)が13日に発表した会員企業へのアンケート調査によると、83%の小売業者が今年3月は前月に比べて売上が減少したと回答した。回答した小売業者の20%は今すぐにでもオンライン販売を始めたいと回答している。

翻訳:水野卓
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