韓国サムソン電子、売上額基準で世界1位の半導体企業に

韓国サムソン電子の第2四半期業績発表直後、同社が半導体売上額部門でインテルを抑え世界1位になった事が報じられた。サムソンの半導体委託生産(ファウンドリ)市場占有率は未だ台湾のTSMCに押されている水準だが、最近ファウンドリ進出を宣言したインテルとTSMC、サムソンとの間での熾烈な競争が予想される。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は現地時間1日の報道で、先月サムソン電子が発表した第2四半期の半導体売上額を引用し、上記の様に伝えた。サムソンは7月29日の業績発表で、第2四半期の連結基準総売上額が63兆6700億ウォン(約6兆580億円)で、このうち半導体部門の売上は22兆7400億ウォン(約2兆1600億円)だと発表した。この金額は2018年第3四半期(24兆7700億ウォン)以降で最も高い金額だった。
WSJは半導体売上額をドル換算すれば197億ドルになると解説した。同時にインテルの第2四半期の売上が196億ドルでサムソンに及ばなかった事を強調した。
米カリフォルニア州サンタクララに位置するインテルはメモリ半導体が大きく注目されていた2017年と2018年に一時サムソンに1位の座を明け渡した事があるが、これまで約30年間の大部分で業界トップを維持していた。WSJはサムソンとインテルの主力半導体がそれぞれメモリ半導体と中央処理装置(CPU)であり、メモリ半導体の単価はCPUより低いものの、需要はより多いと伝えた。多国籍市場調査企業ガートナーによると今年、世界の半導体市場でメモリ半導体の売上は昨年比で33%増加する見込みだが、PCやサーバー用CPUの売上は4%の増加に留まるとみられる。
しかしファウンドリ部門だけを見れば状況は変わってくる。自社製品のみを製造して来たインテルは今年3月、ファウンドリ産業進出を宣言した。WSJは自動走行技術、5世代移動通信(5G)の様な最新技術の元になる先端半導体の量産能力を持った企業は地球上にサムソンと台湾のTSMC、インテルのみだと解説している。米市場調査企業カウンターポイントリサーチのリサーチ部門代表デール・ガイ氏は「今は第4の企業は見えていない」と指摘。別の市場調査企業トレンドフォースによると、今年の第1四半期基準でファウンドリだけを見ると、TSMCの市場占有率は55%で1位。サムソンは17%となっている。
WSJはサムソンとTSMCが共に半導体生産に1000億ドル以上を追加投資する準備が出来ていると指摘した。
サムソンは先月の業績発表で、今年のファウンドリの売上が前年比で20%以上増加する可能性を示唆した。インテルのパット・ゲルシンガーCEOも今年3月のファウンドリ進出宣言で、先ずは200億ドルの投資を約束している。ゲルシンガーCEOは先月のインタビューで既に100を超える潜在的な顧客を確保したと、顧客のうちのひとつはサムソンの携帯電話に中心的な部品を提供するクアルコムだと明かしている。
翻訳︰水野卓
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