中国旅行者が押し寄せる!?…「日本と韓国への団体旅行解禁」

−日韓外交当局に対し団体旅行解禁方針伝達
−中国旅行社、自国民対象のパッケージ商品販売再開
−団体旅行の公式な再開…日本は3年半ぶり、韓国は6年半ぶり
中国が日本と韓国への団体旅行を解禁するとみられる。中国及び日本の現地メディアによると10日、中国文化観光部は早ければ同日にも日本と韓国を含む、世界各国への自国民の海外団体旅行解禁方針を発表することが分かった。
中国外交部も最近、日本と韓国の外交当局に対し、自国民の団体旅行を解禁することを伝えたことが分かっている。これにより、中国の旅行社は自国民を対象にした団体旅行商品や「航空券+ホテル」のパッケージ商品の販売が可能となる。
中国政府は事実上「ウィズコロナ」に転換した直後となる今年1月、タイ、インドネシア、カンボジア、モルジブなど、20カ国への団体旅行を解禁している。また3月には、ベトナム、モンゴル、スペイン、イタリア、デンマーク、フランスなどの40カ国に対しても同様に解禁した。
しかし日本をはじめ、韓国、米国などは、1次・2次団体旅行解禁対象国から除外されていた。このため、韓中ビザ摩擦問題や両国の非友好的感情などが高まるのではないかと懸念する見方もあった。
中国が今回、世界各国への団体旅行を解禁したことで、韓国の場合はTHAADミサイル配備以降、6年5カ月ぶりの団体旅行再開となる。中国は2017年3月、在韓米軍のTHAADミサイル配備に対する報復的な措置として旅行商品の販売を禁じ、韓国への団体旅行の門を閉ざした。
在韓中国大使館は前日、メッセージアプリWeChatを通じ、韓国から中国へのビザの発給時に指紋を採取していた手続きを、商業・貿易(M)、観光(L)、親族訪問(Q)、トランジット(G)、乗務員(C)ビザに限り、今年12月31日まで省略すると発表している。在韓中国大使館は2021年1月より、すべての中国へのビザ申請者に対し、指紋採取を行なっていた。指紋採取が一時的に猶予されたことで、中国への韓国人旅行者のビザ発給手続きも多少は簡素化されるとみられる。
また中国政府は日本の外務省に対しても、10日より日本への団体旅行を解禁する方針を伝えた。中国人の日本への団体旅行が再開されれば、約3年6カ月ぶりとなる。
現地メディアは、中国の団体旅行解禁により今後、日本を訪問する中国人旅行者が大きく増加すると伝えた。日本の観光局によると、2019年に日本を訪問した中国人旅行者の数は約959万人で、全体旅行者の30%を占めていた。年間消費金額も1兆7704億円で、訪日旅行者の36.8%に達している。また1人あたりの消費金額は10万円を超える「上客」だった。
翻訳:水野卓
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