「国軍捕虜に関心を!」韓国NGOムルマンチョ日韓共同解決を図るために来日

(写真は、9月7日に行われた東京の上映会で挨拶をしている朴宣映理事長)
社団法人「ムルマンチョ(勿忘草)」は2021年に設立された、脱北者と国軍捕虜支援に先駆けてきた支援団体であり、北朝鮮住民と脱北者人権の促進や保護及び生活の質向上、脱北者青少年の教育支援、帰還国軍捕虜をはじめとする北朝鮮離脱老人支援、その他法人の目的達成に必要な研究および事業を行っている。理事長である朴宣映(パク・ソニョン)は韓国の第18代国会議員(2008/5~2012/8、自由先進党)の時、脱北者の強制送還に抗議し、ソウルの中国大使館前に座り込み11日間ハンガーストライキを行い、世界を北朝鮮の人権問題に注目させた人物である。
ムルマンチョは9月4日からの4泊5日間、大阪・東京で国軍捕虜のドキュメンタリー映画「忘れられた英雄たち」を上映した。上映会は9月5日(火)に大阪中央民団本部で、9月7日(木)には東京民団韓国中央会館で行われ、およそ200名が観覧した。
今年は朝鮮戦争停戦70周年である。ムルマンチョは「今回の来日は、北朝鮮人権促進と保護のために日韓の協力を強化して推進する行事であり、拉北者及び抑留者、抑留中の国軍捕虜の問題について一緒に悩み、日韓共同解決を図るために準備してきた」と述べた。ムルマンチョは国軍捕虜映画上映や大阪や東京のNGO団体と懇談会を行い、 図書出版ムルマンチョが出版した国軍捕虜関連図書と脱北者手記図書などを在外韓国学校や各団体、地域機関に寄贈した。
本行事は(社)ムルマンチョのパク・ソンヨン理事長とキム・ソグ元統一院次官、チョン・スファン国軍捕虜送還委員長(予備役陸軍准将)、チャ・ドンギル戦争犯罪調査委員会委員長(予備役海兵隊准将)、ハ・ウンジョン弁護士、ソン・ギョンスン ムズマンチョ合唱団事務局長など実務陣が同行した。


5日、ムルマンチョは大阪民団中央本部で日本NGO団体との懇談会を行った。懇談会には、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会(守る会)の山田文明理事、蒲生健二事務局長、利他利他有興会の安保智子代表、大阪ブルーリボン会の山本直樹代表、民団大阪港支部の洪淳祥総務課長などおよそ20名が参加した。懇談会では各団体の活動について紹介、北朝鮮人権の促進と保護のための提案など意見交換懇談会後、上映会を行った。上映会にはおよそ100名が訪れた。


東京では、在日韓人歴史資料館や日本文化財団などの団体に北朝鮮人権関連図書寄贈式、日比谷図書館で日本NGO団体との懇談会を行った。7日午前に行われた懇談会には, 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会の佐伯浩明代表理事、谷川透理事、木下公勝理事、特定失踪者問題調査会の荒木和博代表、NO FENCE 小川晴久代表、宋允復副代表が参加した。午後からムルマンチョは東京の韓国中央会館にある「在日学徒義勇軍忠魂碑」で献花式をした後、民団中央本部の民団ホールで上映会を開いた。
8日には、 韓国の尹徳敏駐日大使や 金玉彩駐横浜総領事と懇談会で日韓関係の変化や、それが在日韓国人に及ぶ影響、対北人権問題について話し合った。懇談会後、ムルマンチョは駐日本韓国文化院に図書を寄贈した。
朴理事長は「映画上映も韓日NGO懇談会も期待以上に良かった。日韓関係は過去という時期ではなく、人権という未来価値で一緒に歩むとき、真の隣人になることができることに気づいた。これから北朝鮮人権を輪にした多様な協力関係、連帯増進が可視化されそうで嬉しい。参加し、助けてくださった両国の関係者に感謝する。」と気持ちを伝えた。
今回の行事の延長線上では、2019年日本議会で日本国会議員と共に開催した韓日セミナー<帰還北送日本人を通じて見た北朝鮮人権問題点と両国の課題>以後引き続き開催を計画していたが、3年間コロナで保留され今回のイベントを通して今後は隔年両国で開催する予定だ。今後、北朝鮮人権に対してセミナーだけでなく様々な形で外縁を広げ、日本と共同で問題解決を図るつもりである。






白琇晶 記者 sjbaek@fnnews.com