来年4月に開幕する大阪・関西万博で一般客の乗車を予定していた「空飛ぶクルマ」が、商用運航を見送ることが関係者の話で明らかになった。万博の注目目玉だったこのプロジェクトだが、機体の安全性審査に時間がかかるなどの理由で、運航を予定していた4つの陣営すべてが見送りを決定した。
日本国際博覧会協会や政府、大阪府・市、運航事業者が協力し、近く空飛ぶクルマの運航に向けた会議を開く予定。会議では、運航の具体案が提示される見通しだ。
運航予定だったのは、日本航空、ANAホールディングス（HD）と米国ジョビー・アビエーション、丸紅、そして愛知県豊田市の新興企業スカイドライブの4つの陣営。それぞれの陣営が空飛ぶクルマの運航を計画していたが、丸紅とスカイドライブは既にデモ飛行に切り替えることを公表している。残り2陣営もデモ飛行の実施を計画中だ。
空飛ぶクルマの商用運航には、国の承認を得る「耐空証明」が必要で、機体の性能や部品の安全性が個別に審査される。関係者によると、日本航空とANAHDは、それぞれ独Volocopter社とジョビー社と契約を結び、欧米での認証取得後に国内認証を進める予定だった。
しかし、欧米での審査が予想以上に時間がかかっていることから、万博開幕までに国内での認証取得は困難と判断し、デモ飛行へと方向転換した模様だ。
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