11月5日の米大統領選まで残り1週間となり、主要な世論調査によると両陣営の情勢はほぼ互角で膠着状態にある。返り咲きを狙う共和党のドナルド・トランプ前大統領（78）は、不法移民問題を最大の争点に掲げて底力を発揮。一方、民主党のカマラ・ハリス副大統領（60）は、失速の兆しを打破しようと、トランプ氏への批判を先鋭化させ、巻き返しを図っている。両陣営は、投票先をまだ決めていない有権者の獲得を目指して、最後の追い込みをかけている。
政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、10月27日現在、激戦7州の平均支持率はトランプ氏が48.5％で、ハリス氏の47.6％を0.9ポイント上回っている。全米平均ではトランプ氏のリードはわずか0.1ポイントと、接戦が続いている。
トランプ氏は27日の集会で「インフレを終わらせ、移民の侵略を止め、アメリカンドリームを復活させる」と演説し、勢いを強調。若年層の男性など、これまで政治に関心が薄かった層にも支持を広げる戦略を取っており、SNSやポッドキャストなどのメディアを駆使して支持を広げている。
一方、ハリス氏は「トランプ氏が復権すれば、独裁を目指す可能性がある」と危機感を訴えている。特に2021年1月に起きた連邦議会襲撃事件を思い起こさせ、有権者に警鐘を鳴らしている。29日にはワシントンで演説を予定しており、トランプ政権時代の危険性を強調する姿勢だ。
7月にバイデン大統領が撤退を表明し、ハリス氏が後継者として立ち向かうこととなったが、100日余りの短期決戦で準備不足が影響し、支持率の伸び悩みが見られる。女性有権者の支持に頼りつつ、人工妊娠中絶の権利擁護を全面に掲げ、勝負に挑んでいる。
各州では既に郵便投票や期日前投票が進んでおり、一部の激戦州では投票日の集計が遅れる可能性もあり、結果が判明するまでに数日かかる見込みだ。
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