中国江蘇省蘇州市で昨年6月に発生した日本人母子らへの襲撃事件で、中国人女性1人が死亡した件について、蘇州市中級人民法院（地裁）は23日、無職の周加勝被告（52）に対し求刑通りの死刑判決を言い渡した。日本外務省が明らかにした。
地裁は判決で「借金に苦しみ生きるのが嫌になった」という被告の動機を批判し、「犯行は極めて悪辣で、社会的影響が重大」として極刑が相当と判断した。公判は非公開で行われ、日本外務省によると、日本に関連する特定の言及はなかった。
事件は昨年6月24日に発生。日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子が男に刃物で切り付けられ負傷し、バスの案内係だった中国人女性・胡友平さんが死亡した。被告は事件直後に拘束され、同年11月に起訴。初公判は今月9日に開かれた。
裁判では犯行の動機や背景が明確にされず、日本人を標的としたかどうかも最終的には明らかにならなかった。この点について、一部では対日関係改善を図る中国当局の意向が影響した可能性も指摘されている。
なお、中国では昨年9月、広東省深セン市でも日本人男児が刃物で刺され死亡する事件が発生しており、同事件の初公判は今月24日に予定されている。
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