イスラエル首相府は12月13日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマス軍事部門の幹部、ラエド・サードを殺害したと発表した。ハマスが仕掛けた爆発物によりイスラエル軍兵士が負傷したことへの報復だとしている。一方、ハマス側は「停戦合意違反だ」と強く反発している。
首相府の声明によると、サード幹部は2023年10月に発生したハマスによる大規模な奇襲攻撃の立案者の一人とされる。さらに、ここ数日にわたりハマスの軍事部門の再建や、イスラエルに対する新たな攻撃の計画・実行に関与していたとも主張した。
地元メディアの報道では、サード幹部はハマス軍事部門で事実上ナンバー2の地位にあったとみられている。イスラエル側は、拘束につながる有力な情報に対し、80万ドル、日本円でおよそ1億2500万円の報奨金を設定していたという。
これに対しハマスは同日、声明を出し、イスラエル軍の戦闘機がガザ市西部で民間人の車両を標的にしたと非難した。攻撃によってサード幹部が死亡したかどうかについては明言しなかったものの、10月に発効した停戦合意に違反するとして、停戦仲介国である米国やアラブ諸国に対応を求めている。
ガザ情勢をめぐっては、停戦後も断続的な衝突や緊張が続いており、今回の事案が停戦の枠組みにどのような影響を与えるのか注目されている。













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