犯罪収益の引き出しに悪用か、日本公証人連合会が対策強化
日本公証人連合会(東京)は、犯罪の被害回復のために凍結された口座から資金を引き出す目的で公正証書が不正に利用される疑いがあるとして、全国の公証人に対し注意喚起を行ったことが明らかになった。不審な作成依頼が確認されたことを受け、今月15日付で慎重な対応を求める文書が送付された。
公正証書とは
公正証書は、金銭の貸し借りなど当事者間の契約を公的に証明する文書で、判決と同様の効力を持つ。これに基づき、強制執行を申請することが可能であるため、悪用された場合の影響が大きい。公証人は、依頼内容を慎重に確認し、公証役場で作成される。
不審な作成依頼の事例
東京都内の公証役場では、二つの会社間での債務弁済を公正証書で記録し、弁済がない場合の強制執行を可能とする内容の依頼があった。依頼の回数が多く、不審に思った公証人が関連資料の提示を求めたところ、「準備する」と応答があったものの、その後の連絡が途絶えたという。
注意喚起の内容
同連合会が全国の公証人に送付した文書では、詐欺グループが凍結口座から犯罪収益を確保する目的で公正証書を悪用する可能性が指摘されている。特に、不明確な金額や不当に高額な債務が記載された場合、信頼性のある証拠書類を慎重に確認するよう求めている。
過去の事例と対策の重要性
過去には、詐欺グループが虚偽の公正証書を利用し、凍結口座から資金を回収したケースも報告されている。今月には、虚偽の公正証書をもとに強制執行を行った企業に対する被害者側の訴訟が報じられた。同連合会は「公正証書が不正利用されることは非常に遺憾であり、厳重に対応していきたい」とコメントしている。
公証人の役割と責任
法律実務の豊富な経験を持つ公証人は、中立的な立場から公正証書の作成にあたる重要な役割を担っている。日本全国で約300か所の公証役場に約500人の公証人が配置されており、社会的信頼の維持が求められている。
公正証書の不正利用を防止するため、関係者による慎重な確認と社会全体での意識向上が今後も重要視されるだろう。

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