ローマ教皇庁(バチカン)は28日、死去したフランシスコ教皇の後任を決める秘密選挙「コンクラーベ」を5月7日から開始すると発表した。教皇に次ぐ高位聖職者である枢機卿たちの会議で決定されたもので、267代目となる次期教皇選出の行方が注目されている。
投票権を持つのは全252人の枢機卿のうち、80歳未満の135人。ミケランジェロの「最後の審判」で知られるシスティーナ礼拝堂で、3分の2以上の得票者が現れるまで無記名で投票が繰り返される。
世界に約14億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会において、教皇は信者の代表であると同時にバチカン市国の元首として国際社会でも強い影響力を持つ。近年の教皇たちは、平和や人権保護を普遍的な価値として国際的に訴えてきた。
しかし、聖職者による児童への性的虐待問題、女性の役割拡大を求める声、同性婚に対する保守的な立場など、教会は批判にさらされ続けている。伝統を守りつつ、急速に変化する現代社会の価値観にどう適応するかが課題となっている。
2013年以来となる今回のコンクラーベでは、同性カップルの「祝福」容認など多様性を重視したフランシスコ教皇の改革路線を次期教皇が引き継ぐかが最大の焦点だ。
有力候補には、バチカンに近いイタリア人枢機卿をはじめ、アジアやアフリカなど欧州以外出身の枢機卿も名前が挙がっている。枢機卿たちはすでに葬儀前から討議を開始しており、今後、次期教皇選出に向けた本格的な駆け引きが繰り広げられる見通しだ。













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