米連邦準備制度理事会(FRB)は7日、米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の誘導目標を4.25~4.5%のまま据え置くことを決定した。これで1月以降、3会合連続の利下げ見送りとなる。トランプ政権の大規模な関税引き上げが物価上昇(インフレ)を再び加速させる懸念があると判断し、経済の動向を慎重に見極める姿勢を示した。
今年1~3月期の米経済成長率は3年ぶりにマイナスとなり、トランプ政権が導入した「相互関税」の影響が徐々に顕在化している。4月に始まった全貿易相手国への関税措置では、中国に対して最大145%の追加関税を課すなど強硬な姿勢が際立つ。企業が関税負担を小売価格に転嫁する動きも出始めており、今後のインフレ加速リスクは否定できない。
米消費者物価指数(CPI)は3月時点で前年比2.4%増と、FRBのインフレ目標(2.0%)をわずかに上回る水準だったが、関税コストの影響が本格化すれば、物価の一段の上昇が予想される。FRBは昨年9月以降の利下げ姿勢をいったん中断し、当面は経済指標を精査しつつ、金融政策の舵取りを慎重に進める方針だ。
一方、トランプ大統領は中央銀行の独立性を軽視し、パウエル議長に繰り返し利下げを要求する姿勢を強めている。FRBがこれに応じず、インフレ警戒姿勢を示したことで、政権とFRBとの緊張が一層高まる可能性もある。













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