Advertisement

日本地理学会が創立100周年,東京大学で記念行事を開催

【東京=6月21日】公益社団法人日本地理学会は21日、創立100周年を記念するシンポジウム、記念式典、祝賀会を東京大学伊藤国際学術研究センターで実施した。三部構成の行事には会員と来賓約120人が集まり、同学会の歩みと将来像が示された。

第一部のシンポジウムは13時30分から伊藤謝恩ホールで開かれ、ソン・ウォンソ会員(秀明大)が司会を務めた。小口高百周年記念事業実行委員長が趣旨を説明し、久保純子早大教授が「100年前の東京と山﨑直方」、岡谷隆基国土地理院地理空間情報部長が「21世紀の国土地理院」を講演。作家の柴崎友香氏と芸人・構成作家の小林知之氏も登壇し、文学とメディアの視点から地理学の可能性を論じた。講演後のパネル討論では行政・文化分野への応用や次世代教育の重要性が確認された。

16時40分からの記念式典では地理学科出身のフリーアナウンサー森順子氏が司会を務め、日本地理学会井田仁康会長が「地理学の面白さと有用性を社会へ発信し、持続可能な社会とウェルビーイングに貢献する」とあいさつ。文部科学・国土交通両省、日本学術会議の代表に続き、国際地理学連合(IGU)のナタリー・ルマルシャン会長がビデオメッセージを寄せた。松原宏百年史編集委員長は『日本の地理学の百年』を紹介し、古今書院に特別表彰が授与されたほか、音楽ユニット「アクアマリン」が演奏と歌を披露した。

日本地理学会の井田仁康会長 (写真:ソン ウォンソ)

鈴木康弘理事長は「激動の社会の中で地理学の本質を問い続けてきた。今後も国際研究協力や地理教育を通じ社会連携の使命を果たす」と強調した。式典後、井田会長は「多様な参加者と有意義な会を開けた。学会の魅力と底力を来賓にも示せた」と手応えを語り、鈴木理事長も「百年の歩みをまとめて示せたことが大きい」と述べた。準備を主導した小口委員長は「長い年月をかけて準備した甲斐があった」と感無量の表情を見せた。

18時10分からの祝賀会では日本地理学会の会員の山口勝NHKアナウンサーが司会を務め、春山成子三重大名誉教授の乾杯で開宴。矢野桂司地理学連携機構代表、ウォリス・サイモンJpGU会長が祝辞を送り、山﨑直方先生の令孫である山﨑和男広島大名誉教授と山﨑芳男早稲田大教授が来賓祝辞を述べ、先人の業績を紹介しつつ次の100年への連帯を呼び掛けた。出席者からは「学界と社会の接点をさらに広げたい」との声が相次ぎ、100周年を新たなスタートとする決意が共有された。

日本地理学会は1925年の創設以来、研究・教育・社会連携を通じて地理学の発展に寄与してきた。デジタル地図やリモートセンシングなど地理情報技術が急速に進化する現在、同学会は「地理学の多様な貢献」を掲げ、国際協力と産学官連携を強化する方針を示した。次の100年に向け、学術的探究と公共性を両輪とした活動の拡充が期待される。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です