カナダのマーク・カーニー首相は22日、米国製品に対して課してきた報復関税の多くを撤廃すると発表した。米国製の自動車や鉄鋼、アルミニウムへの関税は当面維持するものの、米国との新たな貿易・安全保障関係を構築するため協力を強化すると強調した。今回の決定は9月1日に発効する。
カーニー首相は記者会見で、米国の措置に歩調を合わせ、米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の対象となる米国製品に対する関税を全面的に撤廃すると表明した。首相は「カナダと米国は両国製品の大部分で自由貿易を再開した」と述べ、米国市場におけるカナダの優位性維持に全力を尽くす考えを示した。
さらにUSMCAの見直しが本格化する前に戦略分野に関する協定を米国と結ぶ可能性にも言及したが、今秋に新たな経済・安全保障協定を締結できるかどうかについては「成り行きを見守る」と述べるにとどめた。
ドナルド・トランプ米大統領はこの発表を歓迎し、近くカーニー首相と電話会談を行う意向を示した。「私は彼を好ましく思っている。米国はカナダにとって良い隣国でありたい」と語った。ホワイトハウスも同調し、米政府関係者は「貿易や安全保障上の懸念についてカナダと協議を続けられることを期待する」と述べた。













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