米国、中国の為替操作国認定見送りにも「まだ透明性が欠如」
ムニューシン米財務長官/WIKIMEDIA COMMONS(Office of the President-elect)
米国、中国の為替操作国認定見送りにも「まだ透明性が欠如」
主な貿易相手の為替操作可否を調査していた米国財務省は日本と中国を含む6カ国に対し、認定見送りを決定した。しかし、中国については「最近持続する人民元の価値の下落を注視している」と警告を送った。
米財務省は17日、米議会に「マクロ経済と米国の主要貿易相手国の為替政策に関する報告書」を提出し、これをホームページに公開した。財務省は報告書で、日本、韓国、中国、インド、ドイツ、スイスを今年4月の報告書と同様に「観察対象国」に分類した。
1988年から為替政策に関する報告書を作成してきた米財務省は、米国と貿易する13カ国を対象に為替操作の可否を調べている。財務省は貿易相手国が△対米貿易黒字が200億ドルを超えるか△経常収支の黒字が国内総生産(GDP)比で3%を超えるか△外国為替市場に介入するかの3項目を調査し、すべての項目を満足した国を「為替操作国」に認定する。為替操作国に認定されると、関税を通じた報復行為に出ることができる。
中国の場合、3つの項目とは別に、米国の貿易赤字に「大きくてアンバランスな」貢献をしたという理由で観察対象国に入った。財務省は、「中国の対米貿易収支が今年6月まで3900億ドルの黒字で調査対象国の中で最も大きい」と非難した。また「このアンバランスは6月中旬以降、約7%急落した人民元の価値下落に起因している」と説明した。
ムニューシン米財務長官は、別の声明を出し、「中国人民元の透明性欠如と最近の人民元安を懸念している」と述べた。また、「このような現象は、公正かつバランスのとれた貿易に大きな障壁」とし「我々は継続的に中国の為替政策を観察し、中国人民銀行とも議論を続けていく」と付け加えた。