トルコ大統領「カシュギ氏死亡は計画的な殺人…証拠ある」

トルコ大統領「カシュギ氏死亡は計画的な殺人…証拠ある」
トルコのエルドアン大統領は23日、ジャマル・カシュギ氏の殺害事件について「計画的な殺人だった」と語り、サウジアラビアが発表した「偶発的事故」に反論した。特に事件の「強力な証拠」を持っていると述べ、さらに注目を集めている。
エルドアン大統領は同日、トルコ議会で開かれた議員総会で「カシュギ氏は野蛮な殺人の被害者」とし「今回の殺害が事前に計画されたという強力な証拠がある」と述べた。エルドアン大統領の主張によると、カシュギ氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館を訪問する前日、総領事館が派遣したチームがイスタンブール北部のベオグラード森とボスポラス海峡の南東部を下見した。カシュギ氏が総領事館を訪問した当日には監視カメラのハードドライブが取り外され、同日午前には総領事館側がカシュギ氏に訪問のスケジュールを確認する電話まで掛けたという。また事件前日にサウジ政府の関係者3人が総領事館に到着し、2日未明には12人がイスタンブールに到着したことを確認したと主張した。
このようなエルドアン大統領の発言は、カシュギ氏の殺害が殴り合いによる偶発的な死亡と主張するサウジ政府の発表を正面から反論するもの。
エルドアン大統領は「なぜ15人がイスタンブールに来たか」、「カシュギ氏の遺体はどこにあるか?」、「誰が命令を下したか」という質問を投げつつ、多国籍委員が参加する独立委員会が同事件を徹底に捜査しなければならないと促した。また、サウジ政府が明らかにした共犯者18人について、「容疑者全員はトルコで裁判を受けなければならない」と明らかにした。
しかし、サウジのサルマン国王とムハンマド皇太子など、同事件の黒幕とされるサウジ王室については言及しなかった。