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JR赤字路線、存廃協議が長期化 芸備線の結論が全国の行方左右

JR各社が赤字ローカル線の存廃を巡り、沿線自治体との協議を今年も継続する。人口減少により利用者回復が見込めない一方、生活路線としての存続を求める声は根強く、議論は平行線をたどっている。

現在、東海と四国を除くJR4社が自治体と協議中と公表している路線は全国21線区。このうち、国が仲介に入る形で再構築協議会が設けられ、2026年度中にも方向性が示される見通しの芸備線が、全国の議論の試金石となる可能性が高い。

広島、岡山両県を結ぶ芸備線の備後庄原―備中神代間では、最も厳しい区間で1キロ当たりの1日平均利用者数が19人にとどまる。100円の収入を得るのに約9945円を要し、大量輸送機関としての役割を果たせていないとするJR西日本の主張に対し、沿線自治体は他路線や関連事業の利益で赤字を補えると反論している。

改正地域公共交通活性化再生法に基づき、国、JR西日本、関係自治体が参加する再構築協議会は2024年3月に始動。週末を中心に観光客向け臨時列車を運行する実証事業を進めてきた。2026年度は沿線バス運行も実施し、鉄道とバスの経済効果を比較検証する計画だ。

芸備線以外の路線では、各JR会社と地元自治体が個別に協議を続けている。JR北海道は石北線など8線区で地元負担を前提とした存続策を検討。JR東日本は豪雨被害で不通が続く米坂線の坂町―今泉間など4線区、JR西日本は芸備線を除く6線区、JR九州は日南線の油津―志布志間など2線区で協議を継続している。

一方、被災路線では整理も進む。津軽線の蟹田―三厩間は2027年4月の廃線が決まり、バス路線への転換が予定されている。富山県の城端線と氷見線は、交通系ICカード導入など支援策で合意し、2029年ごろをめどに第三セクターのあいの風とやま鉄道へ経営移管される見通しだ。

人口減少が進む中、鉄道を維持するのか、他の交通手段へ転換するのか。芸備線の結論は、全国の赤字ローカル線の将来像を占う分岐点となりそうだ。

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