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静まり返る聖地”エルサレム”、数世紀ぶりの行事中止も

イランによるイスラエル主要都市への攻撃の脅威が現実味を帯びる中、三つの宗教の聖地エルサレムがかつてない緊張に包まれている。AP通信が28日に伝えた現地の光景は、例年の活気とは対極にある。旧市街の商店の大半はシャッターを下ろし、イスラム教の聖地アルアクサ・モスクも人影が途絶え、静まり返っている。

旧市街で3代続く商店主のファイエズ・ダカク氏は、観光客の激減による死活問題に直面しながらも、「アルアクサ・モスクが閉鎖されるのは、胸が締め付けられる思いだ」と語った。聖地の閉鎖は、単なる物理的な遮断を超え、住民たちの宗教的な喪失感へとつながっている。

戦火の足音は、エルサレムの中心部にまで及んでいる。イランがイスラエルの主要都市を標的に定める中、ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」近くの道路にもミサイルの破片が落下するなど、聖域すら安全ではない状況が浮き彫りとなった。

イスラエル軍は被害を最小限に抑えるため、50人以上の集会を禁止する措置を講じた。これにより、キリスト教の重要な儀式も大きな制約を受けている。

エルサレム・ラテン総大司教区は、伝統的な「枝の主日」の行進を中止せざるを得なくなった。また、聖墳墓教会でのミサを執り行うために教会の指導者たちが中に入る際、当局がこれを阻止したとして強く反発している。総大司教区側は「数世紀にわたって続いてきたミサが妨げられたのは初めてだ」とし、イスラエル政府の措置を「過度な制限だ」と非難している。

■ 空襲警報下のユダヤ教儀式

ユダヤ教徒もまた、戦争の余波の中で信仰を守り続けている。間近に迫る「過ぎ越しの祭(ペサハ)」の準備が進められているが、そこには日常とは異なる緊張感がある。

同祭期間中は発酵食品の摂取が禁じられるため、家の中からパン種(酵母)を取り除く伝統的な清掃作業が行われるが、市民たちは空襲警報が鳴り響く中、シェルターへの退避を繰り返しながらこの準備を続けている。

信仰と戦争が激しく交錯する中、数千年の歴史を持つ聖地は、かつてない試練の春を迎えている。

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