米国とイランの間で合意された「2週間の停戦」の発効後、一時的に再開されたホルムズ海峡の船舶通航が再び停止した。イラン当局の許可を得たタンカー2隻が通過した直後、イスラエル軍によるレバノンへの大規模空爆が伝えられ、海峡の安全確保が困難になったためとみられる。劇的な停戦合意からわずか1日で、中東情勢は再び予断を許さない局面に入った。
イスラエルは米国とイランの停戦を受け入れ、イラン本土への直接攻撃は見合わせている。しかし、親イラン武装組織ヘズボラの本拠地であるレバノンについては「停戦の対象外」と明言。8日には首都ベイルートおよび南部地域に対し、今回の紛争開始後で最大規模となる波状攻撃を敢行した。
これに対し、イランのアラグチ外相は、停戦を仲介したパキスタン側との電話会談で「シオニスト政権(イスラエル)による相次ぐ合意違反」を公式に提起。レバノンへの攻撃は実質的な停戦破棄にあたるとし、深刻な懸念を表明した。
停戦発効を受け、8日早朝にはイラン側の承認を得たタンカー2隻が海峡を無事に通過し、エネルギー供給の正常化への期待が高まっていた。しかし、イスラエルの攻撃再開を受け、イラン側は「航路の安全が担保されない」として再び通行を遮断。
海峡を事実上支配するイランと、周辺の親イラン勢力を叩くイスラエルの「代理戦争」の構図が、米イラン間の停戦合意という枠組みを容易に無力化させている実態が浮き彫りとなった。
この事態を受け、10日にパキスタン・イスラマバードで予定されている詳細な条件交渉への影響が懸念されている。イラン側は「レバノンへの攻撃停止」を新たな条件として突きつける可能性があり、トランプ政権がイスラエルをどこまで制御できるかが、この「2週間停戦」を維持できるかどうかの最大の焦点となる。

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