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米財務省がトランプ氏の肖像入り「250ドル紙幣」発行を推進?…現行法と衝突

Novelty $100 bill with Donald Trump silhouette and 250th anniversary text

米トランプ政権が、米国の建国250周年を記念してドナルド・トランプ大統領の肖像画をあしらった「250ドル紙幣」の発行を水面下で画策していることが明らかになり、大きな波紋を広げている。現行の米国法では、生存している人物の肖像を紙幣に使用することは厳しく禁じられている。それにもかかわらず、政権高官らが印刷局に対して試案の作成を執拗に迫っていたと米紙ワシントン・ポスト(WP)などが28日(現地時間)に報じ、私物化への批判が噴出している。

事情に詳しい複数の米政府前・現職職員の証言によると、ブランドン・ビーチ米連邦財務官らの政権高官が、トランプ氏の肖像を入れた250ドル紙幣の試案を作成するよう、通貨発行を担う製版印刷局(BEP)に圧力をかけていた。ビーチ財務官は自らデザイン案まで提示しており、その内容は紙幣の中央にトランプ氏の顔を配置し、両脇にはトランプ氏とスコット・ベセント財務長官の署名が並ぶというものだった。このデザインを手掛けた英国人画家のイアン・アレクサンダー氏も、トランプ氏と直接内容を協議した事実を認めた上で、トランプ氏自身が建国250周年の記念ロゴを追加するなどの修正を行い、最終承認を下したと説明した。

しかし、この計画は米国の法秩序と真っ向から衝突する。連邦法(合衆国法典第31巻第5114条)は、通貨の信頼性を維持するため、生存中の人物の肖像を紙幣に描くことを明確に禁止している。財務省内でもこうした法的な問題から根強い反対意見があった。実際、同計画に異を唱えたパトリシア・ソリメネ印刷局長が、先月別部署へ更迭されたことも判明している。共和党の一部議員は昨年、トランプ氏の肖像入り250ドル紙幣の発行を可能にする特例法案を議会に提出したが、現在まで審議に目立った進展はない。財務省側は法案が通過すれば印刷を本格化させる立場を示しつつも、報道官を通じて「法案通過前に職員へ印刷を命じた事実はない」と釈明し、違法性の指摘をかわすのに躍起だ。

一方で、法的な制限がない「トランプ氏の署名」入りの新型100ドル紙幣については、すでに建国250周年記念事業の一環として印刷が始まっている。現職大統領の署名を紙幣に入れること自体は違法ではないためだ。

トランプ第2次政権の発足以降、米連邦政府の機関や主要政策に大統領個人の名前を冠する「ブランド化」の動きは異常な勢いで加速している。ワシントンDCの権威ある公演場「ケネディ・センター」が最近『トランプ・ケネディ・センター』へと名称変更されたほか、今年7月に開始予定の政府系児童資産形成プログラムには『トランプ口座』の名が付けられた。さらに、100万ドル(約1億5000万円)の投資で永住権を付与する『トランプ・ゴールドカード』構想や、海軍の新整備戦艦を『トランプ級戦艦』と命名する計画まで浮上している。一連の動きに対し、野党・民主党や憲法学者らからは「国家の公共システムや象徴を、大統領個人の私的ブランドの宣伝道具として変質させている」との厳しい批判が相次いでおり、今後政治的な火種となるのは確実だ。

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