フランス国民が燃料価格高騰に不満爆発…マクロン大統領の支持率は26%に急落

フランス国民燃料価格高騰に不満爆発マクロン大統領の支持率は26%に急落

‐燃料税引き上げ強硬に抗議28万人が2000ヶ所でデモ
‐フランス全国主要道路封鎖で麻痺1人死亡、重軽傷者200人以上

マクロン仏大統領が就任以来最大の危機に面している。高騰する燃料価格に国民の不満が爆発し、フランス全域で反マクロンのデモが行われた。デモの過程で1人が死亡、重軽傷者200人以上を出すなど、先週末のフランスは阿鼻叫喚の様相を呈した。

頑なに「我が道」を進んでいたマクロン大統領が初めて頭を下げたものの、燃料税引き上げは「予定通り行う」と表明した。ドイツに続き、フランスの中道派まで不安定になる中、ヨーロッパの極右ポピュリズムの影響力拡大を憂慮する声が高まっている。

フランスを覆った「黄色いベスト」
17日、フィナンシャル・タイムズやCNNなどのメディアによると、マクロン政権に対するフランス国民の不満が燃料価格上昇により爆発し、フランス全域の道路交通網が事実上麻痺している。政党や労働組合などによる伝統的なデモ組織勢力無しで、国民らの自発的な参加により行われた今回のデモ。当初の予想より参加人数は大幅に少ないものの、フランス全域で主要道路を占拠しており、フランス政府に大きな打撃を与えている。

フランスのデモ隊は黄緑色に近い黄色いベストを着ている。この日のデモ隊の名称も「黄色いベスト」だった。17日のデモを支援し、状況をリアルタイムで伝えたサイト「11月17日遮断」は、フランス全域が「黄色いベスト」で覆われている地図を見せた。当初の100万人が参加するとの予想とは違い、この日フランス内務省はデモ参加人数を28万人と発表した。しかしフランスの2000ヶ所以上の場所でデモが行なわれ、事実上フランス全土がデモ隊に覆われた。

マクロン大統領は17日のデモに対し、厳正な対応を取るとの強い姿勢を見せたものの、デモの勢いを止められはしなかった。最高で2年の懲役に4500ユーロ(約58万円)の罰金が課せられる道路封鎖が現実の物となった。デモの過程で、子供を病院に連れて行こうとしていた母親が、デモ隊の制止により病院に行けなくなると、デモ隊を車で轢き1人が死亡する事故まで起こった。少なくとも227人が負傷し、この中の6人は重傷とみられる。

「金持ち大統領」支持率低下
マクロン大統領就任後の改革路線は、労働改革をはじめとした構造改革に焦点を置き、中産層以下の有権者らの不満を高めて来た。デモでは、「金持ち達の大統領」という言葉も出ており、「マクロンとフランスの間の関係は壊れた。終わった」との怒りの声も聞かれた。ある女性が上げたマクロン政権の増税に対する批判動画は、600万人以上が視聴している。この動画は、「エリゼ宮殿(フランス大統領官邸)の皿を変えたり、貴方自身のためのプールを作る以外に、(税金引き上げにより増えた)お金(税収)で何をするのか」とマクロン政権を非難している。

世論調査によると、フランス国民の2/3以上が「黄色いベスト」デモを支持している。世論に耳を閉ざした大統領が背景として名指しされている。あるデモ組織の関係者はCNNに、「国民らの声が大統領に届いておらず、デモによる意思表示をするようになった」と話した。この関係者は、「マクロンの税金引き上げをこれ以上は受け入れられない。あまりにも重い」としながら、「政党や労組を通じて声を上げられなかったので、何かをしなければならなかった」と、デモの背景を語った。

昨年5月の就任当時に62%の支持率を見せていたマクロン大統領は、強硬な改革と自身や側近らに相次いだ悪いスキャンダルにより支持率を下げ、現在は史上最低水準まで低下した状態。昨年夏には大統領警護員が警察に偽装してデモ鎮圧に出た後、デモ隊を無差別暴行していた事実が発覚し、非難を受けた。その後の対応においても傲慢さを曝け出し、マクロン大統領の中心的な支持層である中産層が背を向ける理由となった。また大都市エリート層と地方の貧困層との間の差が広まった事も、マクロン大統領の支持率低下のもうひとつの背景。現在マクロン大統領の支持率は26%まで低下している。

不満煽った燃料価格高騰
デモの直接的な背景である燃料税引き上げは、最近の出来事ではない。燃料価格が安止まりしていた1月に税金を上げたところ、それ以降国際原油価格が跳ね上がり、燃料価格もそれに連れて上昇し、その間に溜まっていた不満がほぼ1年が過ぎた今、爆発したとみられる。フランスは1月に軽油に対して1リッターあたり8セント、ガソリンには4セントの燃料税を追加した。来年には軽油に6.4セント、ガソリンに2.9セントが更に追加される。

国際原油価格上昇と燃料税引き上げが重なり、フランスのガソリンスタンドでのガソリン小売価格も急騰した。フランス石油産業連盟(UFIP)によると、軽油は今年16%跳ね上がった。1年前の1リッターあたり平均1.24ユーロから、現在の1.48ユーロまで上昇している。先月には1.53ユーロまで高騰した。

この間の国際原油価格の基準となるブレント油は、1バレル=60ドルから、10月初には86.07ドルまで跳ね上がり、20%以上上昇している。デモ隊も同様に、国際原油価格の上昇が燃料価格を引き上げた主な原因だという事を分かってはいるものの、マクロン政権がフランソワ・オランド政権の環境政策を引き継ぎ、化石燃料に対する税金を高めた事に不満を抱いている。

マクロン大統領は一旦は一歩引き下がったものの、燃料税引き上げを撤回する事は出来ないという立場。マクロン大統領は最近、民間放送のインタビューで、今後は変わった姿を見せると約束したものの、燃料税引き上げを撤回しない事を明らかにした。

翻訳:水野卓

 

 

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