「このままでは成長率0%」…米シャットダウンによる経済への影響憂慮拡大

「このままでは成長率0%」…米シャットダウンによる経済への影響憂慮拡大

‐シャットダウンが一週延びる度に米国GDP0.13%減少
‐米国政府は影響予測を大きく調整…FRBは金利引き上げから一歩後退
‐モルガンスタンレー「危機に備えるべき」

米国政府の部分閉鎖(シャットダウン)が続けば、米国の第1四半期GDP成長率が「ゼロ」になる可能性があると、JPモルガンチェースのジェームズ・ダイモンCEOが15日、警告した。米国政府も経済への衝撃幅を大きく調整している。

米国経済への憂慮が高まる中、FRB内の代表的なタカ派であるカンザスシティ連邦準備銀行のエスター・ジョージ総裁も、「今は待つ時」だと、金利引き上げから一歩後退した。またモルガンスタンレーは、株式市場が今は落ち着いているが、景気沈滞や業績沈滞など最悪に備えるべきだと警告している。

■第1四半期成長率ゼロ%?
英紙フィナンシャル・タイムズによると、JPモルガンのダイモンCEOは、米国政府のシャットダウンが長引けば、今四半期の米国経済成長率が停滞する可能性もあると警告した。ダイモンCEOは、「(シャットダウン)を解決しなければならない」と、「これはもう政治イシューには留まらない」と強調した。

シャットダウンの張本人ドナルド・トランプ大統領の米国政府側も、影響が以前の予想より大きくなると予測している。米国政府はこの日、シャットダウンが一週延びる度に米国のGDP成長率は0.13%ずつ減少するとの予想値を伝えた。

米国企業の憂慮は徐々に大きくなっている。全米第2位の航空会社デルタ航空は、シャットダウンによる航空便運行への障害が今四半期売上高に悪影響を与えると憂慮している。シティグループのジョン・ガースパッチCEOも、シャットダウンにより企業の新規公開(IPO)が延期されつつあり、消費者らの消費パターンにもシャットダウンが影響を及ぼし始めていると警告している。

また、米国商工会議所は先週議会に送った書簡で、「シャットダウンが米国国民と企業、経済に衝撃を与えている」と訴えている。

シャットダウンは、政府の財政赤字限度や財政支出限度などを争点に、議会と政府の間で、今年の予算案に関する激しい争いが起きる事を予告している。このため、今回の事態が解決したとしても、今年後半に向かうに連れて、予算の問題が経済にとっての負担になると見られる。

特に金融市場が昨年末に暴落してから日が経っていない状況でのシャットダウン継続は、ただでさえトランプ大統領の貿易戦争により縮小していた企業の投資を、更に遅らせる可能性を高めている。

■「景気沈滞の可能性を受け入れよ」
モルガンスタンレーのマイケル・ウィルソン首席ストラテジストは、この日のアナリストノートで投資家らに「安全ベルトを締めろ」という助言をした。CNNビジネスによるとウィルソン氏は、昨年の株価急落を予想していた少数のアナリストの中の1人だ。

同氏はこの日、上記の様に題したレポートで、「予想通りに経済指標が更に悪化すれば、市場は直ちに景気沈滞と金利引き下げを価格に反映する様になるだろう」と、「今は市場の動きが静かではあるが、衝撃に備えるべき」と提言している。

ニューヨーク株式市場のダウ平均株価指数が、昨年のクリスマスイブに暴落して以降、10%近く急騰し、米中間の貿易交渉やFRBの相次ぐ穏健発言、予想以上に高かった昨年12月の強い雇用指標などが、市場の景気沈滞への恐怖感を和らげてはいるものの、まだ安心する時ではないという事だ。

FRB内の代表的なタカ派ジョージ総裁も、強硬基調をひとまず取り下げた。FRBのジェローム・パウエル議長が最近、米国政府のシャットダウンに対する憂慮を度々表し、経済の状況がもう少し明確になるまで、金利引き上げを「見送る」事を明らかにしたのと同じ経緯だと見られる。

米経済チャンネルCNBCによると、ジョージ総裁はこの日の演説文で、「米国経済の流れが多少はっきりして来た」と、「FRBの金利引き上げと資産縮小が経済に及ぼす影響が把握されるまで、金利引き上げは『一旦停止』する必要がある」と明かした。同総裁は、「(金利)中立化プロセスを一旦停止する事は、経済が予想通りに反応しているのか、評価する時間を与える事だ」とし、「そうでなければ、行き過ぎた緊縮、経済成長下降、インフレ目標未達などを誘発する可能性がある」と話した。また「追加金利引き上げは適切であるかもしれないが、急いではいない」と、「何よりFRBの資産縮小が金融市場に及ぼす影響を把握する事が優先だ」と強調した。

FRBは、量的緩和を通じて買い入れた国債と住宅抵当証券を、毎月最大500億ドル(約5兆4500億円)相当売却している。ジョージ総裁は、「この売却が市場に及ぼす影響にはタイムラグがあるため、その影響を把握するにはひとまず見守らなければならない」と説明している。

また「この様な売却が通貨緩和に影響を与えるのか、与えるのであればどの程度の影響を及ぼすのかが、はっきりしていない」と、「これは改めて今が金利中立化を一旦停止するには良い時期である事を示唆している」と話した。

翻訳:水野卓

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