イエレン前FRB議長、「FRBの次の一手は金利引き下げ」

イエレン前FRB議長、「FRBの次の一手は金利引き下げ」

‐世界経済成長鈍化に直面…米国も影響避けられず

米FRBが次に取る政策は、金利引き上げではなく金利引き下げになると、ジャネット・イエレン前FRB議長が発言した。米国経済が今のところはしっかりとしているものの、中国やヨーロッパの景気鈍化の流れが米国にまで及べば、影響を避ける事は難しくなるためだ。

昨年1月、ジェローム・パウエル氏にFRB議長の職を譲ったイエレン前議長は6日、米経済チャンネルCNBCとのインタビューで、この様に話した。イエリン前議長は、「世界経済の鈍化が無ければ、米国経済はしっかりとした流れを続けて行くだろうが、今は未来を断言出来ない様になっている」と、「米国も世界経済鈍化の影響から無関係ではいられないだろう」と述べた。

世界経済は昨年初旬までは、2017年に続き、全体的な成長を続けて行く事が予想されていたが、米国のドナルド・トランプ大統領が保護主義政策を実行に移し、同盟国の製品に関税を賦課、中国とは貿易戦争を始めるなど、急速に悪化し始めていた。

中国は国内の構造的な問題に加え、貿易戦争の影響が重なって成長率が急低下。ヨーロッパは経済エンジンのドイツをはじめ、イタリアなども景気沈滞に突入している。

イエリン前議長は、「世界成長の流れが実際に鈍化し、この様な鈍化が、ただでさえ金融環境が厳しくなっている米国にまで及べば、米国経済の鈍化を目にする事になるだろう」と、「その場合、(FRBの)次の一手は確実に(金利の)引き下げになる」と話した。

また、米国経済の当面の最大危険要因は「世界経済鈍化」とし、「最近の中国の各経済指標は弱さを見せており、ヨーロッパの各指標も同様に予想より良くない」と指摘している。

2008年の金融危機当時、FRBの副議長としてベン・バーナンキ議長を支えたイエリン前議長は、まるでヘリコプターに乗って空から金をばら撒く様だとの喩えから、「ヘリコプター・マネー」と呼ばれた史上初の量的緩和を導入した人物。以後、バーナンキ議長の後を継いでFRBの指揮を取り、米国経済を史上最悪の沈滞から救い出したとの評価を受けてはいるものの、トランプ大統領との摩擦により議長職の再任には失敗していた。

イエリン前議長は、現在の米国経済は海外の危険要因がありながらも、今のところはしっかりしていると見ている。また、「これまでの米国の各経済指標はしっかりしていて強い」と、「失業率は50年振りに最も低く、生産性も高く、インフレ率は低い」と分析した。

しかし、昨年3%成長したと見られている米国経済に関しては、「今年の成長率が昨年より低くなる事を、かなり以前より皆が予想していた」と付け加えた。米国経済は、昨年12月までは今年もしっかりとした流れを続けて行くと予想されていた。FRBも昨年最後のFOMC(連邦公開市場委員会)会議で、今年2回の追加金利引き上げを見込んでいる事を明らかにしていた。

しかしこの様な楽観は、2019年に入り急速に後退して行った。パウエル議長をはじめとしたFRBの高位関係者らの口から、金利引き上げに関して「辛抱強く」という発言が相次ぎ、先月のFOMC会議では、遂に公式声明に「辛抱強く」という単語が「漸進的引き上げ」に取って代わるまでになった。

イエリン前議長は、「自身が昨年12月のFOMC会議に参加していたなら、2回の金利引き上げを見込んだだろう」としながら、しかしそれ以降の状況が急速に変化していると強調した。

一方、市場が徐々に不満を表し始めている、FRBの資産縮小についてイエリン前議長は、「FRBがもう少し明確な方針を明かさなければならない」と提言した。FRBは先月のFOMC会議で、資産縮小が「自動で進行」されるとしていたこれまでの立場を改め、市場の状況に合わせて弾力的に対応する事を明らかにしているが、具体的なタイムスケジュールは出されていない。

翻訳:水野卓

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