下落するFAANG、浮上するMAGA

下落するFAANG、浮上するMAGA
最近の業績発表以降、米国ウォール街の大型IT企業への選好度が変わりつつある。
現地時間28日、フィナンシャル・タイムズは、「FAANG」がこれまで証券市場をリードして来たが、先週の第2四半期の業績発表を境に、マイクロソフト、アップル、グーグル、アマゾンのいわゆる「MAGA」がウォール街の注目を集めていると報じた。「FAANG(ファング)」はフェイスブック(Facebook)、アップル(Apple)、アマゾン(Amazon)、ネットフリックス(Netflix)、グーグル(Google)などアメリカの主力ハイテク銘柄の総称。
フェイスブックは先週の26日に業績発表した。発表によると、売上とグローバル利用者数が想定以上に低迷。その影響で株価は19%急落し、時価総額も1190億ドル(約13兆円)減少した。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営者(CEO)の資産も1日で約160億ドル減少した。
ネットフリックスの場合、映像ストリーミングサービスが依然として好調ではあるものの、新規加入者増加率が鈍化し、これまでの勢いと違ってスローダウンの様子を見せた。
一方でマイクロソフトは昨年だけで時価総額が2800億ドルも増加した。マイクロソフトの時価総額の増加額はネットフリックスの時価総額の2倍の規模に当たる。
フェイスブックの急落に“超大型IT企業「ビッグテック(Big Tech)」が成長し続ける時代の終焉ではないか”との見方も出ている。
フィナンシャル・タイムズは、「依然としてTV広告が健在な中、全体広告市場の40%を占めているビッグテックのデジタル広告市場拡大にも限界が来るだろう」とし、「今後ビッグテックの間で熾烈な争いが繰り広げられる」と予想した。
また、「クラウドコンピューティングに力を得ているアマゾンやマイクロソフト、グーグルには、トップの座を守るために果てない開発が必要だ」と語った。
しかし、フェイスブックについては、「過去にインスタグラム買収とモバイルサービスに優先順位を置くという変身を遂げたフェイスブックだが、今後利用者と広告主がどの様な反応を見せるかは疑問だ」と指摘しつつ、「指導力が弱まったフェイスブックが後退する一方、MAGAは徐々に支配力を拡大しているのは明らかだ」と伝えた。
翻訳︰水野卓