米商務省、自動車関税報告書を提出…緊張する業界
米商務省、自動車関税報告書を提出…緊張する自動車業界
米商務省が17日(現地時間)、自動車の輸入状況が国家安全保障に与える影響を分析した報告書をトランプ米大統領に提出した。報告書の内容は公開されていないが、自動車業界では2年前の輸入鉄鋼に対する関税引き上げと同様に、業界全体に多大な打撃は避けられないと予想した。
海外メディアによると、米商務省はスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)、小型トラック、自動車部品などの輸入実態と関連し、貿易拡大法232条に基づいて調査した報告書をトランプ大統領に提出した。貿易拡大法は1962年に制定された法律で、国家安全保障の観点から海外との貿易で必要とされる場合は緊急貿易制裁を可能にしている。
トランプ大統領は昨年5月、商務省に同法律に基づく調査を命令した。今回報告書を受け取ったトランプ大統領は90日以内に必要な措置を取らなければならない。トランプ政府は昨年3月にも同じ手順で輸入鉄鋼に25%に達する報復関税を賦課した。当時商務省は、輸入鉄鋼に一括して25%の関税を課すか、輸入量に制限を置く案を提案したが、トランプ大統領は25%の関税を選んだ。
報告書の内容は伝えられていないが、これまでのトランプ大統領の発言をみると、報復関税を避けることは難しく見える。トランプ大統領は昨年11月、ゼネラルモーターズ(GM)がオハイオ州の工場などを閉鎖して構造調整を宣言すると、ツイッターを通じて「これまで米国で小型トラック事業が人気があった理由は、輸入する小型トラックに25%の関税がついていたからだ」と強調。また「私たちがもし輸入乗用車にも同じ税金を課したとしたら、より多くの車が米国で生産されたはずだ」と主張した。
自動車業界団体である米国自動車販売協会(NADA)は、25%の関税が適応されれば、海外からの輸入部品にも影響があるため、米国で生産される自動車の価格が平均2270ドル上昇し、輸入される完成車は約6875ドル上がると予想した。
また、今回の報告書が実際の関税賦課措置になると、アジア企業の打撃はさらに深刻になる見通しだ。トランプ大統領は昨年7月に欧州連合(EU)との貿易交渉を約束し、交渉期間では互いに車への追加関税賦課をしないことにした。対米輸出用の車が主に生産されているカナダとメキシコの場合も、昨年結んだ3者間の自由貿易協定で関税賦課の影響は少ないとみられる。そのため、実際に関税賦課措置が発動されれば、日本や韓国などのアジア企業が実質的なターゲットになる可能性が高い。
一方、米非営利研究機関である自動車研究センター(CAR)は、関税賦課の影響で36万6900の雇用が米国から消えると予想した。