北朝鮮のポンペオ氏猛非難…米、「大きな欠礼 今後の交渉に悪影響」

北朝鮮のポンペオ氏猛非難…米、「大きな欠礼 今後の交渉に悪影響」
-ポンペオ長官への非難は度を超えた大きな欠礼
-今後の交渉にもネガティブに働く
-ハノイ会談決裂への不満の現れ?
北朝鮮の外務官僚が朝鮮中央通信を通じてマイク・ポンペオ米国務長官を非難し、降板を要求した事について、米国では19日、この事は交渉当事国の国務長官に対する容認出来ない欠礼であり、米朝交渉再開に悪影響を与えかねないと見ている。
この前日にあたる18日、北朝鮮の外務省米国担当クォン・ジョングク局長は、朝鮮中央通信の記者との質疑応答を通じ、「今後の朝米交渉には、ポンペオ氏以外の別の人物が対話の相手として出て来て欲しい」と、「ポンペオ氏が間に入ると事がこじれ、結果を得られなくなった。同氏が会談に関与すれば、場も乱れ、話もこじれてしまう」と話した。
クォン局長は、「幸いな事に、金正恩北朝鮮国務委員長とドナルド・トランプ米国大統領の個人的な関係は依然として良好で、金委員長も同様に、トランプ大統領との近しい関係について嬉しく思っている」と、両国首脳の関係性と交渉については、ポジティブな見方を維持している。
北朝鮮メディアは徹底した検閲と統制を受けているため、個人の名前が出された記事だとしても、党や政府レベルで伝えたい言葉の可能性が非常に高い。これまでも職位や専門性を持った人物の言葉を借りて当局の意志などを伝えてきた。
2月末にベトナムのハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談で、ポンペオ長官はトランプ大統領と共に参席し、金委員長と北朝鮮側代表団と面会する過程で北朝鮮の意図を看破し、最悪の場合は会談を霧散させるとの忠告をした事が分かっている。
つまり会談決裂以降、膠着している米朝関係に対する強い反感を、会談当時、北朝鮮の邪魔となっていたポンペオ長官に当てつけて表現したのだと見られる。
米国の国営放送ボイス・オブ・アメリカによると、マーク・フィッツパトリック前国務部非拡散副次官補は、「北朝鮮によるこの様な非難攻勢は、兵器実験より更に深刻な事案であり、3回目の米朝首脳会談など北朝鮮との外交計画に影を落としている」と話している。
ジョセフ・デトラニ前6者会談米国次席も同様に、「今回の北朝鮮の発言は相当な外交的欠礼であり、米国大統領と初めて対話をする事になった北朝鮮が、米国の国務長官に対してこの様な形で発言する事は、容認する事の出来ない行動だ」と語った。
また別の米国政府関係者は、北朝鮮のこの様な動きは、「北朝鮮の戦略的決定を期待する」とのジョン・ボルトン米大統領補佐官の発言と共に、米国と北朝鮮の関係をより引き離す事になると伝えた。つまり感情的な対立が、対話の膠着感によ悪影響を及ぼしかねないという事だ。
翻訳︰水野卓