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海外から見たアップビット事件「悪材料?市場発展へのきっかけ」

海外から見たアップビット事件「悪材料?市場発展へのきっかけ」
韓国最大の仮想通貨取引所アップビットへの家宅捜索の衝撃が韓国を越えグローバル市場全体にまで広がっている。9000ドル台で推移していたビットコインの価格は週末一時8200ドル台まで押し下げられた。現在は8700ドル台を超えた水準だ。
コインデスクによると、韓国時間14日午前6時12分、ビットコインの価格は24時間前より3.07%高い8727.85ドルで取引されている。
海外の専門家らは今回の事件をどのように見ているのだろうか。ただただ否定的に見るものではないというのが彼らの結論だ。しっかりとした規制が健全な生態系造成の助けになるという肯定的な意見も見られる。
■「韓国政府、追加の取締が本格化する可能性は低い」
コンステレーションラボの顧問、マティアス・ゴールドマン氏は「韓国の規制当局が仮想通貨市場における詐欺の根絶に本気になった姿だ。それだけだ。どんな新技術であっても詐欺事件が発生すれば刑事法を同じように適用するしかないだろう。かといって韓国政府が追加の取締を本格化するきっかけにはならないと思う」と見通しを述べた。
また「政府の規制が市場に対して無条件に悪材料になる訳ではない。今回の事件について追加の取締へのきっかけになるだろうという二分法的な思考で考える必要はない。むしろ当局の継続的な規制により業界での詐欺事件が減少していく肯定的な効果も期待される。しっかりと規制されれば健全な生態系が作られる」と付け加えた。
ステーブルコインを発行するコワラ(Kowala)の最高経営責任者、アイランド・グローバー氏も同じ考えを示した。「中央集権化された大型取引所をまともな規制なしで運営すると考えてみて欲しい。一日の取引が数千にも及び、一日の取引量も数十億に達するだけに、僅かな価格操作でもビットコインの価格が一気に急落できる」と同氏は指摘した。
■「ニューヨークでのイベント、ビットコインの更なる急騰を期待」
ビッブルキャピタル最高経営者のジョー・ディパスケリー氏は「韓国検察の急襲により仮想通貨の価格が急落したのは初めてではない。今年1月にもビットコインの価格が7%超下落した。今回のアップビットの事件が初めてな訳でもなく、市場が過去の事例と同様に過敏に反応しただけだ。市場が引き続き成熟して行けば過敏な反応も次第に減っていくだろう。投資家の度胸もますます強くなるだろう」と評論した。
ファンドストラットグローバルアドバイザーのロブ・スルーマー氏は「14日に開かれる業界最大のイベント“ブロックチェーンウィーク ニューヨークシティ”が次の価格上昇のモメンタムになるだろう。過去の例を見るとこのイベントの後にビットコインの価格が急騰した。2015年を例に上げると、何と23%も跳ね上がった。ニューヨークでのイベントがビットコインの更なる急騰を引き起こす触媒になると確信している」と強調した。
翻訳:水野卓