米中戦争の余波で米ドル急騰…新興国に資金難

米中戦争の余波で米ドル急騰…新興国に資金難

米経済専門チャンネルCNBCは先月31日、専門家らの言葉として、1日から適用される中国産製品520億ドル相当に対する15%の関税は、米国の家電メーカーから消費者に至るまで直接的な影響を受けると分析している事を報じた。520億ドルはトランプ大統領が当初考えていた3000億ドル相当の6分の1をやや超える規模ではあるが、中間財や部品に集中していた以前の関税とは違い完成品が相当な部分を占めるという点で、これまでに比べ消費者に及ぼす影響は直接的なものになるとみられる。

中国との貿易交渉が劇的な妥結を見せない限り、12月から追加で適用される中国製品中の家電製品の規模は1150億ドルに達する。1日から適用された520億ドル相当の2倍以上の規模だ。

スマートフォンからノートパソコン、タブレット端末、ビデオゲーム機器など高価格の耐久財が相当な数を占める。たとえ米国貿易通商部(USTR)が1日から適用される関税対象を12月まで大幅に引き伸ばしたとしても、年末のショッピングシーズンでの消費者への負担、そしてこれによる家電メーカーの売上減少は避けられない状況だ。

トランプ大統領がアップルのクックCEOと電話をした後、アップルを高い関税から救うと暗示してはいるが、いまだ具体的な措置は取られていない。企業は関税賦課の例外対象申請を通じ、一部関税負担を減らすとみられているが、その規模がどの程度になるのかは未知数だ。

新興国は米中貿易戦争の余波で二重の衝撃を受けている。まず貿易戦争の激しさが増した事で輸出が厳しくなっている事が直接的な衝撃だ。更に時間が経つに連れ深刻な資金難に苦しめられる可能性も高まりつつある。

■米ドル、FRBの金利引き下げにもドル高傾向
貿易戦争が生み出した不確実性は、投資家らを安全資産志向に追い込み、これにより代表的な安全資産である米ドルの価値が、FRBの金利引き下げにも関わらず上昇している。

ブルームバーグ社によると、貿易加重値を適用した米ドルの価値は8月になり過去最高値まで上がっている。7月末にFRBが政策金利を0.25%ポイント引き下げ、直後にトランプ大統領が中国製品への追加関税方針を明らかにした事で、FRBの更なる追加引き下げの可能性が高まったにも関わらず、米ドルの価値は下落せずに上昇している。

これは米国などで低金利で資金を調達し、新興国の収益率の高い債券などの資産に投資して差益を得る、いわゆるキャリートレードに深刻なリスク要因となる。

米ドル資金を返済するために米ドルに替える際、莫大な為替差損を被り、キャリートレードの実質的な利益がほぼ消滅するためだ。

GAM UKのファンドマネージャー、ポール・マクナマラ氏は「現在、投資家らは確実性や安全資産を求めており、これが米ドルに集中している」と、「これは新興国に厳しい環境を作り出している」との指摘だ。

米ドルの価値が上昇している事により、7月末のFRBの金利引き下げ後、該当通貨で発行された新興国の債券を買った投資家らは為替差損により2%以上の損失を記録しているとみられる。

翻訳:水野卓

Copyright ©The financialnewsjapan. All rights reserved.

関連記事

ピックアップ記事

  1. 韓国で新型コロナウイルス感染症(コロナ19)が急増している中、米疾病対策センター(CDC)が韓国への…
  2. 新型コロナウイルスの感染拡大により中国国内にある工場の正常稼働が遅れ、経営への影響が憂慮される。新型…
  3. 韓国外交部の康京和長官がドイツで開かれるミュンヘン安全保障会議(MSC)に参席し、現地時間15日午前…
  4. 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者と死者の数が減少した。しかし…
  5. 韓国外交省が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の効力終了について「いつでも可能だ」とし、日本…

おすすめ記事

  1. 世界的に7万人に近い感染拡大を招いた新型コロナウイルス感染症(コロナ19)の震源地について、当初知ら…
  2. 中国から来る宅配便は果たして新型コロナウイルスに安全だろうか。…
  3. Googleの親会社であるアルファベットの時価総額が16日(現地時間)、1兆ドル(約110兆円)を突…
  4. 「火の手から逃れたカンガルーの避難場所となっていたゴルフ場が"死の大地(キリング・フィールド)"にな…
  5. 昨年、韓国と隣国との国際関係は例年以上に多事多難だった。昨年7月の日本の輸出管理厳格化により韓国国内…
ページ上部へ戻る
Translate »