グーグル、来年に銀行口座サービス開始…金融に進出

ライバル企業の金融業への進出を見守っていたグーグルが銀行と手を組み、来年から銀行口座サービスを開始する予定だ。グーグルは既存の銀行と争うより口座サービスを介してより多くのデータを集め、グーグルだけの生態系(エコシステム)を構築することに注力するとみられる。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は13日(現地時間)、グーグルが「キャッシュ」というプロジェクト名で口座開設サービスを準備しており、シティグループとスタンフォード連邦信用組合と協力する計画だと報じた。スタンフォード信用組合は、カリフォルニア州スタンフォード大学内の金融業者で、規模は小さいが、役員をはじめ、多くのグーグル従業員が同信用組合に口座を開設している。
グーグル副社長は、WSJとのインタビューで、「私たちは、銀行や金融システムと深く協力する計画」とし「少し遠い道のりになるが、より持続可能な方法である」と説明した。
グーグルのライバル、アップルはすでに2014年に独自の決済システム「アップルペイ」を発売しており、今年の夏にはクレジットカードサービス計画も発表した。フェイスブックも今月12日に「フェイスブックページ」を披露し、さらに仮想通貨「リブラ」の発行を準備している。アマゾンはグーグルのような口座開設サービスを検討中だ。
グーグルが口座サービスを準備する理由は“データ”にあるとみられる。銀行口座自体がすでに日常的なもので、頻繁に変える製品もないが、消費パターンや給与水準などIT企業の立場からは有用な情報を取得し易い。またグーグルが運営するウォレットサービスとの連携も可能で、グーグルはさらなる市場の拡大を期待する模様だ。
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