米朝関係の冷え込み…現時点で米国が焦る必要なし

‐トランプ大統領、一般教書演説で北への言及なし
‐米国の北朝鮮問題に対する自信の現れ
‐米の政治的安定がカギ

非核化に関する北朝鮮の新たな動きや姿勢の変化が無ければ、現在の米朝関係の冷え込みは暫くの間、続くとみられる。

現在、米国は大統領選などの重要な政治日程が続くため、北朝鮮問題の重要度が高くない。仮に北の核問題が再び持ち上がったとしても、米国は米朝対話のボールが北朝鮮側にあると考えているため、北朝鮮の変化無しでは冷え込んだ関係の改善も期待し難い状況だ。

米国のドナルド・トランプ大統領はこの間、北朝鮮と対話する姿勢を見せていたものの、実質的な非核化は一歩たりとも前進しなかった。今年11月の再選を目指す状況下では、成果を見出だせないのなら北朝鮮問題を表に出さない方が有利に進むというのがトランプ大統領の立場だ。

トランプ大統領は現地時間の今月4日、米国国会で2020年の一般教書演説を行なった。演説では北朝鮮に関する問題への言及があるとみられていたが、1時間以上に及んだ演説に、北朝鮮に関する発言は1秒も無かった。

北朝鮮に対するトランプ大統領の徹底した無関心は、非核化に関して実質的な行動を全く見せない北朝鮮が「悩みの種」ではあるものの、無関心と管理を徹底し、突発的な行動を防ぐ方向で状況を維持しようという意図だとみられる。

北朝鮮との対話を続けるトランプ政権としては、現在のところ北朝鮮問題に焦る必要はない。トランプ大統領再選の可能性が高まっており、北朝鮮が求める体制の安全保障や対北制裁の緩和は米国だけがカギを握っているだけに、北朝鮮が米国との交渉の枠組みから離れる事は難しい。

実際に北朝鮮は昨年、「年末のタイムリミット」を設定し、米国に姿勢の変化が無ければ特別な「クリスマス・プレゼント」を受け取る事になるという威圧を行なっている。更に今年になっても「衝撃的な実際行動」を行なうとして脅しをかけたものの、特に軍事的な動きを見せないまま沈黙している。

米国営放送VOAによると6日、元ホワイトハウス大量破壊兵器調整官のゲイリー・セイモア氏は「トランプ大統領が一般教書演説で北朝鮮を取り上げなかった事は、現在の米朝関係と状況に対する自信の現れだ」と話した。北朝鮮が再選への妨げにはならないと判断したのだとみられる。

しかしトランプ大統領は北朝鮮に対する期待を完全に捨てた訳ではなく、大統領弾劾裁判が終了するなど政治的安定が訪れれば、再び北朝鮮問題が重要な関心事になる余地が残されているとする見方もある。

米国のシンクタンク、国家利益センターのハリー・カジアニス局長は「北朝鮮問題の重要度が下がっていただけで、トランプ大統領は上院の採決を経て弾劾を免れた後、北朝鮮を含む外交政策を改めて検討する様になるだろう」と話している。

翻訳:水野卓
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