
‐韓国政府、「社会的距離を置く」2週間延長
‐「赤字限界値」営業再開も
‐防疫遵守事項、どれだけ守られるかが鍵
韓国では「社会的距離を置く」キャンペーンが19日まで2週間延長されたが、これまで休業を続けていた営業制限措置対象施設の自営業者らが営業を再開している。これは「これ以上の赤字には耐えられない」との判断によるものだとみられる。
韓国当局によると6日、感染の危険性が高く、営業制限が必要な大衆利用施設は、宗教施設と一部室内体育施設、遊興施設の他、各自治体が定めたネットカフェなど追加業種の施設。該当施設は営業中止を続け、やむを得ず営業する場合には防疫当局が提示する遵守事項に従わなければならない。
■「休業すれば損失、これ以上は耐えられない」
この様な措置により、スポーツクラブや遊興業などを運営する自営業者らは、1回目の「社会的距離を置く」が終わる今月5日まで営業を中止するなどキャンペーンに協力していた。しかし更に2週間延長されて2回目になると「もうどうする事も出来ない」と、徐々に営業を再開しつつある状況だ。
ソウル銅雀区のあるスポーツクラブは休館期間を終えたこの日、通常営業を再開した。ただしこのスポーツクラブはグループ及び個人のパーソナル・トレーニング、ヨガなど全てのプログラムを再開した訳ではない。共用で使用されていた運動着やタオルなどの貸し出しもせず、シャワールームも閉鎖されている。
同スポーツクラブの関係者は「再開を待っている利用者がたくさんいる」と、「スポーツクラブ側の立場としても損失が非常に大きく、ひとまず開ける事にしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のためシャワールームを閉鎖するなど最善を尽くしている」と話した。
ナイトクラブなどの遊興業も営業を再開するとみられる。一部オンラインコミュニティには今月5日深夜、ソウル江南区のナイトクラブの前に人々が長蛇の列をなす写真が投稿された。
この様な状況下で自営業者らの間では「休業する人は損」との言葉が広まっている。
ナイトクラブ関係者は「一部の小規模または店舗全体が1種遊興業として登録されていないナイトクラブは再び営業するだろう」と話した。
宗教施設も韓国政府が発表した制限的許容施設及び業種別遵守事項を徹底して守るという条件で、集会や集まりを再開する所が増えている。ソウル市内のある大型教会に通うキム某氏(39才)は「再び礼拝が始まると言うので行ったのだが、発熱チェックと出入者名簿作成はもちろん、間隔維持まで徹底して守られていた」と、「しかし依然として参席者は1/3にも満たず、ガランとした雰囲気」だったと話した。
■「店は開けたが見通しは立たない」
営業を強行したとしても、今後に見通しが立った訳ではない。既に「高リスク事業群」に分類されて世間からの視線も厳しいだけに、途絶えた客足は容易には戻らないとみられる。
特にカラオケバーやネットカフェを運営する自営業者らは、売上が普段の1/10水準まで下がっていると口を揃えた。あるカラオケバーの経営者は「ウチだけが閉めても損する感じがして営業を強行したのだが、客が全くいない」と、「食い扶持だけでも稼ごうという思いだが、それすらも容易じゃない」と話した。
一部の小中高校がオンライン授業を開始した事で、ネットカフェが好況になるのではとの見方もあったが、現実は違っていた。この日営業していたネットカフェの大半はガラ空きで、10人以上の客がいる店はほとんど無かった。
ネットカフェの関係者は「密集した空間が危険だという認識のせいで、週末でも客がいない」と、「昨日は日曜だったが、客は50人程度しか来なかった」と話している。
一方韓国政府は当初この日までとしていた「社会的距離を置く」キャンペーンを19日までの2週間延長する事を決定した。教会やスポーツクラブ、ナイトクラブなど全国の大衆利用施設の営業も同様に2週間制限される。韓国政府は2回目のキャンペーンを通じ、1日の新規感染者50人以下、感染経路不明者の比率5%以下を達成する方針だ。
翻訳:水野卓
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