バフェットの様になりたければ…「訃報を書け」

−オマハでの株主総会で株主らに助言
−「間違った投資、失敗を減らすなら、どの様に生きて来たかを振り返らなければ」
バークシャーハサウェイ会長兼CEOで「オマハの賢人」とも呼ばれるウォーレン・バフェット氏が、まずは自分が死んだ後に出される訃報を書くべきだと語った。訃報で自分がどの様な人物として記憶されているのかを考えると、人生に対する態度が変化し、そうなれば間違った決定も減るだろうとの話だ。以下はバフェット氏がバークシャーハサウェイ本社のある米国ネブラスカ州オマハで開かれた年次株主総会で株主らに伝えた言葉だ。
■訃報を書け
CNBCによると現地時間8日、バフェット氏は株主らに送った年次書簡で、バークシャーハサウェイの成功の大部分は「大きな失敗」をおかさない様にしたことによるものだと話した。投資と対人関係に於いて、その様な失敗をどうすれば減らすことが出来るかと質問されると、バフェット氏は、その出発点として、まずは訃報を書くことを勧めた。同氏は「自分の訃報を書いてみるべきだ」と、「訃報を通じて、今までどの様に生きて来たかを知ることが出来る」と答えた。バフェット氏は、「人生を振り返った後には、これまでの人生で金銭的に、対人関係的に、脱線を引き起こした失敗を、二度とおかさない方法についての青写真を描かなければならない」と話した。
■危険な投資は受け入れられる範囲で
バフェット氏は「金銭的な問題で間違った決定を減らす最も良い方法は、全てを賭けないこと」だと、「万が一、ゲームから完全に脱落したり、その状況にまで至るかもしれないレベルの無理はしてはならない」と警告した。
同氏は「投資の心配で夜も眠れない様なことは、決してあってはならない」と話した。一度投資したならば、ある程度のリスクは受け入れるべきだが、相当にリスクの高い特定の投資に多くの資金を注ぎ込むことは避けるべきだとの話だ。
■カード負債を減らせ
バフェット氏は経済的に失敗しない非常に簡単な原則も提示した。「稼ぎよりも少なく使うこと」だ。また「クレジットカードの利子以上に収益を得ることは非常に難しい」と、「カード負債は必ず避けるように」と忠告した。S&P500指数の年間収益率は平均で約10%程度だが、バンクレートによると、クレジットカードの利子収益率は年間20%を超える。一般的な株式投資ではクレジットカードの利子を上回ることは出来ないという意味だ。
■我慢し、親切であれ
バフェット氏は「人生に於いてお金の問題ではなく、対人関係での失敗を避けるには、怒りを爆発させることを我慢し、他者に親切に接すること」だと忠告した。
また、「コンピューターの前に座りインターネットで悪口を書き込めば、その30秒間の出来事は永遠に取り戻せなくなる」と、「我慢し、自らを慰めることが賢明な道だ」と話した。更に「親切な人になれ」と伝えた。バフェット氏は「お金が多くとも友人や家族がおらず、寂しく生涯を終える人はいるが、友人がいない状況でこの世を旅立つ親切な人は見たことが無い」とも話している。
翻訳:水野卓
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