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自民党総裁に石破茂氏、「物価に負けない賃上げ」を目指す方針-岸田路線を継承

自民党は9月27日、総裁選挙で石破茂元幹事長を新総裁に選出した。石破氏は10月1日に召集される臨時国会で第102代首相に指名される予定だ。決選投票では高市早苗経済安全保障担当相を破り、総裁の座を獲得した。石破氏は、1回目の投票では2位だったものの、党員投票を含めて高市氏を逆転した形だ。石破氏は午後6時から記者会見を行う予定である。

石破氏の政策集では「物価に負けない賃上げ」を掲げており、岸田文雄政権の経済路線を引き継ぐ方向性を示している。また、「経済あっての財政」をスローガンに、財政状況の改善にも取り組む姿勢を示した。これにより、経済成長と財政のバランスを重視する方針が明確となった。

今回の総裁選では、安倍晋三元首相の金融緩和政策や大規模な財政出動を継続する方針を掲げた高市氏に対し、石破氏が選ばれたことで、自民党はアベノミクスへの回帰を否定する結果となった。石破氏は8月に出版した著書の中で、日本銀行の異次元緩和が長期化することで「国家財政と日銀財務が悪化した」と指摘していた。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは、石破氏が日本銀行の独立性を尊重しつつ、経済実態に見合った速度での金融政策の正常化を容認するだろうと指摘している。財政政策については「緊縮財政を志していないものの、財政規律を一定程度配慮するバランスのとれたスタンス」を示すと見られている。

石破氏の新総裁選出を受けて、外国為替市場の円相場は急反発し、一時前日比1.4%高の1ドル=142円80銭まで上昇した。高市氏が決選投票に進んだ際には、日銀の追加利上げが難しくなる可能性が懸念され、円相場は146円台半ばまで下落していた。シカゴ市場の日経平均先物も一時4%以上の急落を記録したが、27日の終値で日経平均株価は2.3%上昇し、8月の暴落前の水準を回復している。

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