2024年の日本株式市場は、年間を通じて大きく上昇する一方で、大幅な変動を伴った波乱の一年だった。日経平均株価（225種）は2月にバブル経済期以来34年ぶりに史上最高値を更新し、7月には一時4万2000円を突破する場面も見られた。しかし、政府・日銀による円買いドル売りの為替介入などの影響で、8月には過去最大の暴落を記録。一年の締めくくりとなる年末の終値では35年ぶりに史上最高値を更新した。
史上最高値更新と歴史的暴落の一年
2024年の日経平均株価は、1月4日の3万3000円台からスタートし、2月22日にバブル経済期の1989年12月29日の3万8915円87銭を突破。その後も上昇基調を維持し、7月11日には4万2224円02銭に達した。
しかし、1ドル＝160円を超える過度な円安が懸念され、政府と日銀による為替介入が行われる中、7月中旬以降は下落基調に転じた。特に8月5日には、日経平均が1日で4451円28銭も下落し、1987年10月のブラックマンデーを超える史上最大の下落幅を記録した。
「上昇と調整が交錯した一年」
野村証券の神谷和男ストラテジストは、「8月の大幅下落前後で市場は大きく二分された」と分析。暴落前は、円安による輸出企業の業績改善期待や賃上げの進展が市場を楽観的にしていた。しかし、暴落後は景況感の悪化を警戒する動きが強まり、株価の上昇速度は鈍化したという。
2025年の焦点：トランプ氏復帰と市場の行方
2025年1月20日にドナルド・トランプ前大統領が復帰することに伴い、米国の政策変更が日本を含む世界市場に与える影響が注目される。神谷氏は「トランプ氏復帰による政策変更が米国のインフレ再燃への懸念を招き、それが市場にどう影響を与えるかが焦点となる」と指摘する。
2024年の日本株式市場が波乱の中でも高値を記録したように、2025年もグローバルな要因次第でさらなる変動が予想される。
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