ブリンケン米国務長官は8日、トランプ次期大統領が提唱したデンマーク領グリーンランド購入構想について、「良い考えではない」と明確に批判し、実現することはないと述べた。フランス・パリで行われたバロ外相との共同記者会見で発言したもので、現職の国務長官が次期大統領を公然と批判するのは異例の事態となった。
ブリンケン氏は、「同盟国との協力こそが米国をより強力にし、良い結果をもたらす」と述べ、北大西洋条約機構（NATO）加盟国であるデンマークとの連携を継続する姿勢を強調。グリーンランド購入構想については「無駄な時間を費やすべきではない」と訴えた。また、トランプ氏がカナダを米国の51番目の州にするとの主張についても「実現しない」と断言した。
一方で、トランプ氏は7日、戦略的に重要な位置にあるグリーンランドについて、米国の安全保障上の理由から購入を目指す考えを表明。軍事力や経済的圧力を行使する可能性については、「保証できない」と含みを持たせた。これに対し、デンマークの首相は「グリーンランドは売り物ではない」と強く反発している。
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