米、中国に具体的な譲歩案提示を要求

米、中国に具体的な譲歩案提示を要求
米国は、中国が米中貿易関係の改善のための具体的な譲歩案を提示しないかぎり、来月開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議でトランプ米大統領と習近平中国国家主席間の貿易交渉はないことを中国側に伝えたと、英紙フィナンシャル・タイムズが9日報道した。
記事によると、米国は今年5月初め、中国との貿易交渉で中国の劉鶴副首相に140以上の具体的な要件を盛り込んだリストを伝達した。リストには、中国国内市場への進出を妨げる規制の緩和から米国のエネルギーと農産物の大規模な購入など、さまざまな条件が含まれている。
リストを受けた中国は8月に、「要求の約3分の1は早期に合意に達することが可能」とし、残りの3分の1については「協議する用意がある」と明らかにした。しかし、中国の国内クラウドコンピュータ市場の開放など、残りの3分の1の要求条件は国家安全保障などの懸念から「収容できない」という立場だ。
中国は米側が要求する‟譲歩リスト”を提出していない。先月にワシントンで開かれる予定だった米中貿易交渉で同リストを渡す計画だったが、米国が2000億ドル規模の中国産輸入品に追加関税を賦課したため、会談自体が取り止めとなった。
米中の首脳は11月30日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開かれるG20首脳会議に出席する予定で、一部ではトランプ大統領と習近平主席の会談を予想する意見も出ているが、トランプ政権の関係者は両国の首脳会談の前提として「中国の回答が必要だ」とし、‟譲歩リスト”の提出を要求している。