京都府京田辺市と学校法人同志社大学、日産自動車および京都日産自動車は10月3日、電気自動車(EV)の普及を通じて脱炭素社会の実現と災害時のレジリエンス強化を図るための「脱炭素化及び強靭化に関する連携協定」を締結した。
協定は、EVを地域のエネルギーマネジメントに組み込み、V2X(Vehicle to Everything)技術を活用するほか、非常時には電源供給機能として運用するなど、多面的な連携を柱としている。京田辺市は地球温暖化対策実行計画で運輸分野の温室効果ガス削減を重点施策に掲げており、公用車の電動化やV2X活用を進めてきた。同志社大学もモビリティやエネルギー分野の研究体制を整備し、産学官との協力を推進してきた。
今回の協定は、2024年7月に京田辺市、同志社大学、日産が結んだ「カーボンゼロシティ及びモビリティサービス推進に関する協定」を拡充したものとなる。内容には以下が盛り込まれている。
▲ 公用車のEV化促進と「走る蓄電池」としての活用
▲ 停電時に京都日産の店舗配備EVを避難所へ無償貸与し非常電源として利用
▲ 大学における長期停電対策としてEV活用型エネルギーマネジメントシステム構築
▲ 同志社大のカーボンリサイクル技術と日産のVGI(Vehicle Grid Integration)技術を組み合わせた共同研究
さらに、オンデマンド交通や将来的な自動運転導入を見据えた地域モビリティ設計の検討も視野に入れる。
一方で、非常用電源としてEVを運用するための制度整備や、V2Xシステムの技術信頼性、運用ルールの調整、コスト負担などの課題も残されている。
関係者は、今回の枠組みが脱炭素と防災力強化を両立させる地域モデルになることを期待しており、今後は施策の実装と改善を重ねながら持続可能な都市づくりを進める方針だ。













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