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法務省、ネット上のヘイトスピーチ対策を強化へ SNS投稿の収集・分析も

日本の法務省が、インターネット上での人種差別的な「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」への取り締まりを一段と強化する。近年、SNSなどで特定の民族や国籍を標的にした投稿が増加しており、外国人労働者や訪日観光客の急増が背景にあるとみられている。

法務省は今後、SNS上の投稿データを収集・分析し、地方自治体からも具体的な被害事例を聞き取る方針だ。投稿の傾向や拡散経路を把握することで、ネット上の差別的言動の実態を明確化し、対策の精度を高める狙いがある。

2016年に施行された「ヘイトスピーチ解消法」は、公共の場での差別的言動の抑制を目的としているが、法的な罰則がなく、ネット上での適用範囲も曖昧だった。SNSの匿名性を悪用した差別投稿が後を絶たない現状を踏まえ、政府は実効性のある対策の検討を急いでいる。

法務省関係者は「表現の自由を尊重しつつ、他者の人権を侵害する行為は看過できない」と強調。地方自治体やプラットフォーム運営企業との連携も強化し、必要に応じて警察庁などとの情報共有も進める考えだ。

近年、日本国内では外国人居住者の増加に伴い、地域レベルでもヘイトスピーチや差別的ビラ配布の事案が報告されている。専門家は「ネット空間は現代社会の“公共圏”の一部。政府と民間が協力して教育・啓発も含めた包括的対策を進めるべきだ」と指摘している。

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