OPEC、原油価格見通しを”下落”に

OPEC、原油価格見通しを”下落”に
石油輸出国機構(OPEC)は、一時期1バレル=100ドル以上に上昇する可能性まで浮上した国際原油価格について、むしろ下落するとの見通しを出した。実際に原油価格は過去2週間で11%低下している。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は19日、OPECの内部報告書を引用し、「OPECは原油在庫の増加と、引き続く米国の増産によって数週内に原油価格が下落すると予想している」と報道した。
報告書では、「季節的な需要の減少が原油在庫の増加につながる可能性がある」とし、「米国の原油増産傾向も数週間以内に原油相場の弱気の要因になる可能性がある」と分析している。報告書の指摘のように米国のシェールオイルの生産量が増えている。米エネルギー情報局(EIA)は、10〜11月のシェールオイルの生産量が日量9万8000バレルも増えると予想している。また、米国の原油在庫が1週間の間に650万バレル増の4億1640万バレルと、発表した。
予期せぬ米国の原油在庫の増加で、今月初め4年ぶりに1バレル=85ドルを超えたブレント原油相場は現在80ドル以下に下落。テキサス産原油(WTI)も今月だけで8ドル以上下落するなど、ここ2週間だけで11%が下がった。
OPECと主要産油国の場合は、対イラン制裁による原油減産分を巡り、サウジアラビアとロシアは増産に乗り出した。専門家らは、ジャーナリストのカショギ氏の失踪事件と関連して国際社会から批判を受けているサウジアラビアが再び減産に転じる可能性は少ないと見ている。
OPECの報告書は、国際通貨基金(IMF)が世界経済の成長見通しを修正したことも原油価格に影響を及ぼしていると分析した。