北朝鮮の金正恩総書記が、祖父である金日成主席の生誕114周年(4月15日の太陽節)に際し、遺体が安置されている平壌の錦寿山(クムスサン)太陽宮殿への参拝を見送ったことが16日、朝鮮中央通信の報道により明らかになった。金氏の不参加は2023年から4年連続とみられ、先代の威光に頼る「世襲の正当性」の強調から、自身を絶対化する独自の偶像化へ軸足を移している実態が浮き彫りとなっている。
同通信によると、15日は内閣総理の朴泰成(パク・テソン)氏や最高人民会議常任委員長の趙甬元(チョ・ヨンウォン)氏ら党・政府幹部が参拝したが、金氏については「花籠を送った」との記述に留まり、参加への言及はなかった。
金氏は参拝の代わりに、人民軍西部地区の大連合部隊による砲撃競技を視察。同氏は視察の場で「国家的な名節(祝日)などの主要な機会に、各級部隊で訓練競技を頻繁に組織するのが良い」と述べ、軍事優先の姿勢を強調した。北朝鮮において「民族最大の祝日」とされる太陽節に、政治行事ではなく軍事訓練を優先させるのは極めて異例だ。
専門家の間では、金氏が先代(金日成・金正日)の生誕祭や命日への参拝頻度を意図的に減らしているとの分析が広がっている。
最近開催された労働党第9回党大会では、幹部らが従来の金日成・金正日の肖像が描かれたバッジに代わり、「金正恩氏の顔」が描かれたバッジを着用しているのが確認された。これは、北朝鮮が金正恩氏を先代と並ぶ、あるいはそれ以上の存在として神格化する作業を本格化させている証左といえる。
金氏は訓練中、「戦準備の完成こそが、主席(金日成)の強軍建設の念願を叶える道だ」と発言した。先代の権威を完全に否定するのではなく、自らの軍事路線を正当化するための「道具」として再定義し、実権掌握を加速させる狙いがあるとみられる。
韓国の統一省関係者は「金正恩氏が先代の影から脱し、名実ともに『金正恩時代』の完成を宣言しようとしている」と指摘。核・ミサイル開発の高度化と並行し、内部の思想統制も「先代教」から「金正恩教」へと変質を遂げている。

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