今年始まった世界貿易戦争、影響は来年から本格化の見込み

今年始まった世界貿易戦争、影響は来年から本格化の見込み

‐関税に備えた前倒しの輸出、来年減少の見込み
‐企業も来年の純利益予想下げる
‐GoProは米国輸出用の中国カメラ工場移転決定
‐3月1日までに米中貿易交渉が妥結すれば暗雲も晴れる

今年を世界貿易戦争が始まった年とするなら、これによる影響は来年から本格的に現れるとの予測が提起されている。

ブルームバーグは25日、追加関税賦課に備えて早められていた輸出注文が減少する傾向を見せており、米中の貿易交渉により更に減少する事が予想されると報じた。

最近の各種指標を見ても、貿易が来年度の米国経済成長の足を引っ張るとの懸念が高まり、米国消費者らの経済信頼指数も現在は本年最低水準まで下がっている状態。更に中小企業の来年度の純利益予想も低くなっている。

宅配業者のフェデックス(FedEx)は来年度の純利益と航空貨物量の予想値を下方修正し、米国政府の関税賦課により、小型カメラメーカーのGoProは最近、中国にある米国輸出用の工場を来年夏までに他の場所に移転させる方針を決定した。

全世界4000ヶ所の物流施設を運営している、プロロジス(ProLogis)のハミード・R・モガダムCEOはブルームバーグとのインタビューで、「どんな商取引の失敗も、経済に税金負担を与える事も、同じ事」だと、「結果的に世界経済を鈍化させるだろう」と話した。

貿易戦争による金融市場への打撃は既に進行しており、バンク・オブ・アメリカ―メリルリンチは今年の米国S&P500指数予想値を6%引き下げた。また今年の中国株式市場にも2兆ドル(約220兆円)の損失はあると予想した。

ブルームバーグ・エコノミクスのアナリスト、トム・オーリック氏は、「貿易戦争の脅威は一時的に収まっただけで完全に消えたのではない」と、「米中間の休戦90日以内の妥結が無かった場合、大きなリスクになるだろう」と懸念を表明した。その他のリスクとしては、追加関税賦課が無くても、今年前倒しされた輸出により来年度の船積量が減少するだろうという事と、各種指標に現れている輸出需要減少の兆候だと説明した。

IMF(国際通貨基金)は、来年度の貿易量増加率が今年の4.2%から4%に減少すると見ている。

ヨーロッパは今年、ドイツの機械部門生産量が2011年以降で最も大幅な5%増加し、歴代最高が期待されているものの、貿易摩擦により来年は2%まで鈍化するだろうというのが、ドイツ機械工業連盟(VDMA)の見通しだ。

今後、米国がヨーロッパや日本製の輸入自動車に追加関税を賦課する事と、ファーウェイの孟晩舟CFO拘束で分かった様に予想もしなかった事件が、また別のリスクになる可能性がある。

ブルームバーグは、「今後の重大なカギは、米国と中国が交渉終了期限とした3月1日までに妥結出来るかどうかになる」とし、「万が一妥結に成功すれば、世界経済に漂っていた暗雲も晴れるだろうが、今は両国間に高まっている緊張が、企業の事業拡大計画にブレーキとなり、世界経済の足を引っ張っている状況だ」と伝えている。

翻訳:水野卓

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