米貿易赤字10年ぶり高水準…トランプ再選に赤信号

米貿易赤字10年ぶり高水準…トランプ再選に赤信号
昨年の米国の貿易赤字が10年ぶりの高水準を記録した。
米国勢調査局は昨年の貿易赤字が6210億ドルを記録したと発表した。発表によると、昨年12月の貿易赤字は前年同月比18.8%増の598億ドルで、市場の予測値を上回った。輸出は1.9%減少した一方、輸入は2.1%増加し、赤字幅が拡大した。昨年全体の貿易赤字は前年比12.5%増の6210億ドルとなった。輸出は6.3%増えたが、輸入が輸出増加幅を上回る7.5%も増加し、赤字規模が拡大した。
特に中国に対するモノの貿易で深刻な赤字を記録していたことが分かった。昨年米国のモノ貿易収支の全体赤字は8910億ドルで史上最大を記録したが、このうち半分に当たる4192億ドルが対中国との貿易で発生した。前年に比べると436億ドルも増加した数値だ。
トランプ大統領は昨年から中国製品に高関税を賦課するなどの貿易戦争に乗り出したが、今回の貿易収支発表で対中国との貿易環境は以前のままであることがわかった。
2016年の大統領選挙当時、保護主義を約束し、就任後も中国はもちろん、カナダ、欧州連合(EU)、メキシコなどの友好国にも圧力を加えたトランプ政権。このような圧迫が米国の貿易収支を改善させてくれると豪語してきたが、結果は“更なる悪化”に終わった形で、海外メディアは「在任期間中に貿易赤字が増えたという事実に深刻な負担を抱えることになった」と再選まで道のりがさらに厳しくなると予想した。