実際のブラックホール写真が初公開…「我々の理論と予測が正しかった」

EHTが公開した実際のブラックホール

実際のブラックホール写真が初公開…「我々の理論と予測が正しかった」

世界で初めてブラックホールの存在とその姿が公開された。EHT(イベント・ホライズン・テレスコープ)理事会構成員であり、東アジア観測所所長のポール・ホー氏は、「実際に観測されたブラックホール映像の様々な特徴は、我々の理論的な予測と驚くほど一致していた」と話した。

EHT研究チームは10日午後10時、米国ワシントンなどの世界6都市で同時に進行する記者会見を開き、全世界の協力を経て超大質量ブラックホールの観測に成功したと発表した。

公開された映像には、「おとめ座銀河団」の中心部に存在する巨大銀河「M87」の中心部にあるブラックホールが映し出されていた。このブラックホールは、地球から5500万光年離れており、重さは太陽の質量の65億倍に達する。

EHTプロジェクト総括団長であるハーバード・スミソニアン天体物理学センターのシェパード・ドールマン博士は、「この結果は天文学の歴史上、とても重要な発見であり、200人を超す科学者らの協力のもとに成された偉大な科学の成果」と話している。

EHT科学理事会委員長であるオランダのラドバウド大学のハイノー・ファルケ教授は、「事象の地平面からの光が、ブラックホールの強力な重力に曲げられて出来たこの影は、この魅惑的な天体についてかなりたくさんの事を教えてくれており、これを通じて我々はM87のブラックホールのとてつもない質量を測定する事が出来た」と語った。

今回の研究は、アインシュタイン博士の一般相対性理論が初めて検証された歴史的な実験の100周年となる今年、宇宙で最も極端な天体を研究する新たな方法を科学者らに提供したことになる。

韓国天文研究院のソン・ボンウォン博士は、「今回の結果は、アインシュタインの一般相対性理論に対する究極的な証明であり、これまで仮定とされていたブラックホールを実際に観測し、研究する時代が到来した事を意味する」と述べている。

ブラックホールは、光すら脱出する事の出来ない強い重力を持ち、事象の地平面の外側を通過する光も曲げてしまう。よって、ブラックホールの裏側にある明るい天体やブラックホール周辺から発せられる光は歪められ、ブラックホールの周囲を周回する。歪められた光は我々が見る事の出来ないブラックホールを照らし、ブラックホールの輪郭を見せてくれるのだが、この輪郭を「ブラックホール・シャドウ」と呼ぶ。

研究チームは数回の観測資料の補正と映像化作業を経て、環の形態の構造や中心部の暗い部分、すなわちブラックホール・シャドウを発見した。研究チームは、M87の事象の地平面が、約400億kmに渡るブラックホール・シャドウより、2.5倍小さい事を突き止めている。

EHTは全世界に散在する電波望遠鏡を連結し、地球サイズの仮想望遠鏡を作ってブラックホールの映像を捉えようという国際協力プロジェクトであり、この仮想望遠鏡自体の事も意味している。事象の地平面とは、ブラックホールの内と外を繋ぐ境界面を意味する。

観測のためEHTは、地球上にある8台の望遠鏡を連結し、これまでに無い高い感度と解像度を持つ、地球規模の仮想望遠鏡を作った。地球の自転を利用し合成する技術で、1.3mm波帯でひとつの巨大な地球規模の望遠鏡が稼動するというものだ。この様な仮想望遠鏡をVLBI(超長基線電波干渉計)と呼ぶ。EHTの解像度は、パリにあるカフェからニューヨークにある新聞の文字を読めるレベルだ。

韓国は韓国天文研究院所属の研究者など8人が、東アジア観測所傘下のジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡とアルマ望遠鏡の協力構成員として、EHTプロジェクトに参加し、韓国が運営している韓国宇宙電波観測網と東アジア宇宙電波観測網が本研究に寄与している。

この観測は2017年4月5日から14日まで、6大陸の8台の望遠鏡が参加して進められた。同じ時刻に、それぞれ違う望遠鏡を通じて入って来るブラックホールの電波信号をコンピューターで統合分析し、これを逆追跡する方法でブラックホールの姿を収めた映像を手に入れた。EHTの原本データを最終映像に変換するために必要な分析は、ドイツのマックスプランク電波天文学研究所と、米国マサチューセッツ工科大学ヘイスタック観測所にあるスーパーコンピューターを活用した。

翻訳︰水野卓

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