日朝が平壌で「水面下の調整」…7月平壌で首脳会談か?

日朝が平壌で「水面下の調整」…7月平壌で首脳会談か?
‐消息筋、「最近対話のチャンネルが修復された」
安倍晋三総理の平壌訪問に向け、日本政府の次官級官僚が最近、北朝鮮を訪問した事が分かった。
ある外交消息筋は11日、「最近、日本の内閣官房の次官級官僚が、安倍総理の訪朝を打診するため、平壌を訪問した事が分かった」と話した。日朝間の対話のチャンネルが、高位級レベルまで修復された事がはっきりした。この人物は、「事実上、途切れていた日朝対話のチャンネルが修復されたのは、最近の事だ。今年3月、朝鮮族の事業家が日本と北朝鮮をそれぞれ訪問し、日朝間のメッセンジャーの役割を果たした事で、日朝の水面下での対話が流れに乗った」と話している。
安倍総理が5月初め、拉致被害者問題に進展が無くとも、北朝鮮の金正恩国務委員長と虚心坦懐に話したいという、いわゆる「条件無しでの日朝首脳会談の開催」を提案した事も、この様な水面下での対話があった事で可能になったとの分析もみられる。
安倍総理の訪朝が実現すれば、2002年9月に当時の小泉総理が平壌を電撃訪問して以来、12年振りの事となる。参議院選を前にした安倍総理は、5月27日の日米首脳会談後の記者会見で、「北朝鮮による日本人拉致被害者の問題解決に向け、果敢に行動する」と語った様に、拉致被害者問題の進展に力を注いでいる。北朝鮮側から「拉致被害者問題の再調査合意」が引き出せれば、支持率上昇の材料になる可能性もある。また、韓国の文在寅大統領の仲裁者の役割が揺らいでいる状況だけに、東北アジアで北朝鮮核問題の仲裁者としての立場を強化出来るとの狙いもある。
現在、日朝対話は外務省でなく、内閣官房の菅義偉長官と西村康稔副長官が主導している。来月21日の参議院選までに、拉致被害者問題に成果を上げようとの動きだとみられる。一部では、安倍総理が今月12〜14日のイラン訪問からの帰国の途中で、北朝鮮を電撃訪問するシナリオも取り沙汰されているが、時期的に可能性は低いとみられる。
北朝鮮は日本の「選挙戦略」の対話の提案に対し、まずは拉致被害者問題を取り上げない事と、日本政府による独自制裁解除を対話の条件として打ち出し、対話のハードルを高める戦略を取っている。
北朝鮮は2日、統一戦線部の外交組織である朝鮮アジア太平洋平和委員会を通じ、表面的には日本による対話の提案を拒否する様な反応を見せているものの、「今こそ安倍一党が過去の罪悪を綺麗に清算し、新たな歴史を書き出す決断を下さなければならない時」との文言を入れた。植民地支配の賠償金や国交正常化を目標に、対話に応じる可能性があるというシグナルだとの見方も出来る。
この様な中、先月末または今月初めに北京で北朝鮮側の人物と米民主党の人物との接触があったとも伝わっている。北朝鮮が日朝首脳会談をはじめ、南北対話、米民主党の人物との接触など、いくつものカードを握り、米朝対話の再開を模索しているのだとみられる。
翻訳︰水野卓
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