[ワールドリポート] 拡散する“エボラ”への恐怖

[ワールドリポート] 拡散する“エボラ”への恐怖

アフリカが再びエボラウイルスの脅威に怯えている。

中部アフリカを流れるエボラ川からその名がついたエボラウイルス。エボラの語源ともなっている「穏やかな白波」という意味からは大きくかけ離れた、人間を死に追いやる危険なウイルスだ。オオコウモリなどの野生動物から感染するとされ、初期には発熱を伴う下痢、嘔吐、腹痛などインフルエンザ様の症状を呈し、後に内出血などの特定症状が出現する。感染後1週間以内には致死率が50%に達するとも言われている。

感染力も強く、感染者の血液や体液、その他の分泌物などを介して瞬く間に拡散する。2014年から2016年までの2年間で、西アフリカでは約2万8600人が感染、うち1万1300人が死亡するなど一帯を恐怖の渦に巻き込んだ。また南アフリカの場合は古くから遺体にキスをする風習があり、そのため感染率が高かったと見られている。

しばらく確定例が出ず、すっかり消え去ったとも思われていたエボラウイルスが、再び世間の注目を集めるようになったのは昨年5月からだ。中部アフリカに位置するコンゴ民主共和国で感染が確認されて以来、わずか1年足らずでコンゴ国民1655人の命を奪い取った。

世界保健機関(WHO)は今月17日、エボラ出血熱の発生状況について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当すると宣言。これは、大規模な疾病発生のうち、国際的な対応を特に要する場合を指す。WHOが同宣言を発表したのは、2009年の新型インフルエンザ、2014年のエボラ出血熱、そして2016年のジカウイルス感染症などに続き今回で5度目となる。

WHOは他地域に感染が拡大する可能性は低いとしていたが、徐々に周辺国や国境付近でも感染者が現れ始めた。これまではコンゴ国内にとどまっていたのが隣国ウガンダに広がり、先日にはルワンダと国境を接する都市ゴマでも感染が確認されている。

WHOは事態を重く受け止め、国際社会の協力および支援を要請した。緊急事態宣言が発表された日、テドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務総長は声明を通し「コンゴ国内、そしてアフリカ全域にエボラウイルスが拡散する危険性が非常に高い。今こそ国際社会との連携が必要な時だ」と語った。被害地域へのワクチン普及拡大、保健システムの完備などの必要性を彼は繰り返し強調した。

しかしこれについて、コンゴのオリ・イルンガ・カレンガ保健大臣は「エボラ流行を金儲けに利用しようと目論む集団からの圧力でないことを願いたい。事態の解決にあたり、透明性と責任感を強く望む」としている。

WHOがエボラウイルス終息のためコンゴへ派遣した人員は、現時点で700人を超えているという。しかし最も急がれるのは、エボラの治療施設に対する支援だ。ゲブレイェスス事務総長は「最近では、内戦の脅威が医療機関にまで及んでいる。支援金も現状の2倍以上は必要」と明らかにした。

支援の次に必要なのは認識の改善である。誤った偏見や民間信仰などにより医療従事者への信頼性は著しく低下しており、これを克服することも重要課題の一つだ。

依然として紛争が続く一部のコンゴ地域では、エボラへの対策も十分とは言い難い。感染終息までに越えなければならない峠は多く、国際社会による一刻も早い協力が求められる。

翻訳者:M.I

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