アップル、アイフォン不振も過去最高売上高記録

アップル、アイフォン不振も過去最高売上高記録
—第2四半期538億ドルで成長傾向に転換
—アイフォン売上高は前年比12%減
—ウェアラブル端末やサービス部門の売上急増
アップルがアイフォンの販売不振にも関わらず過去最高の第2四半期売上高を記録した。これはアイフォン以外のサービス部門やウェアラブル端末市場の拡大によるものとみられる。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると7月30日、アップルの第2四半期売上高は538億1000万ドル(約5兆8762億円)で前年同期の532億6500万ドルより5億4500万ドル増加した。営業利益は115億4400万ドル(約1兆2606億円)で前年同期の126億1200万ドルより減少した。
当初ウォール街では、アップルの第2四半期売上高がアイフォンの販売不振により下落するとみられていた。今回の業績発表でもアイフォンの売上高は259億9000万ドル(約2兆8382億円)と、前年同期比で12%の減少となった。全体売上高に占める割合も48%と、2012年第3四半期の46.4%以来、7年振りの低い水準にまで低下した。アイフォンは一昨年まではアップル全体売上高の70%を占める中心的な製品だったが、最近では成長が限界に達した事で売上比重が徐々に減少する傾向にあった。
しかしアイフォンの不振にもアップルのアイパッドやマックをはじめ、アップルウォッチ、エアパッドなどのウェアラブル端末製品の売上高が55億ドル(約6006億円)と、前年同期比で48%増加した。アップストアやアップルミュージック、クラウドなどのサービス産業の売上高も115億ドル(約1兆2558億円)を記録し、利益率64%を記録した事で、アイフォンの販売不振を相殺した。
今回の業績発表の影響で同日のアップル株価は時間外取引で4%以上上げた217.45ドル(約2万3746円)を記録した。業績発表前日には0.4%下落していたのと対象的な結果だ。アップルのティム・クックCEOは今回の業績発表について「アップルが成長傾向に戻ったというニュースを伝える事が出来て嬉しい」と話した。
アップルのアイフォン販売不振は中国の影響が大きい事が分かっている。中国の景気沈滞により、香港や台湾を含んだ中国の売上高は91億6000万ドル(約1兆2億9490万円)と、前年同期比で4%減少した。市場調査期間カナリス(Canalys)は、ファーウェイやシャオミなどのライバル企業の低価格スマートフォンに対応するため、アップルが中国国内でのアイフォンの価格を下げたにも関わらず、市場占有率は0.6%下落した5.8%となった事を報告している。
翻訳:水野卓
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