ウーバー、52億ドル赤字…過去最大

ウーバー、52億ドル赤字…過去最大
車両共有企業ウーバー(Uber)が今年第2四半期に創業以来最大の赤字を記録した事が分かった。
ウォール・ストリート・ジャーナルをはじめとする海外メディアによると8日、今年第2四半期のウーバーの売上高は14%増加した31億7000万ドルで、市場予想の33億ドルに及ばなかったと報じた。当期の純損失額は四半期別で過去最悪のマイナス52億3600万ドルで、昨年同期間の8億7800万ドルから大きく増加している。
この日の業績発表後、ウーバーの株価は場外取引で12%下落した。
ウーバーは事業規模は成長しているものの世界中で熾烈な競争に直面しており、車両共有企業が経験している運行費補助金と運転手へのインセンティブの負担が大きい事が分かった。
同社のダラ・コスロシャヒCEOは新たな分野を開拓し、フードデリバリー事業のウーバーイーツ(UberEats)が急速に成長しており、来年からは損失が減少すると楽観している。前四半期基準でウーバーイーツの月間顧客数は前年同期比で2倍に増加し、売上高も72%増加している。
一方でアナリストや投資家らは、ウーバーをはじめとする車両共有企業は今後数年間は赤字を避けられないとみている。
車両共有企業は初期ベンチャー資本投資家らが予想していた特定企業の独走とは違い、資本投資の増加とともに参入企業も大きく増加した事で、熾烈な料金競争と売上高減少が続いているためだ。
ウーバーが大きな潜在市場として期待していた南アメリカの場合、売上高が前年の同期間に比べ24%減少した5億4700万ドルとなった。更に中国企業の滴滴出行が進出した事で競争が激化している。
この様な憂慮にも関わらず、一部アナリストはウーバーのみならず、リフト(Lyft)も一部路線の料金引き上げとインセンティブ縮小を経て収益性を高めると期待している。
ウーバーの1日前に業績を発表したリフトは、米国の車両共有市場の場合、割引に対する依存度が低くなりつつあり、ウーバーとの価格競争も落ち着きつつあると発表した。
ウーバーのコスロシャヒCEOはライバル企業まで赤字に陥る様な価格競争に「デタント(緊張緩和)」が徐々に現れており、競争環境が更に安定し、改善されつつあると話した。また自動運転車や自転車、スクーター、貨物輸送など他のベンチャー企業にも引き続き投資する予定であると強調した。
翻訳:水野卓